約160名のアーティストが参加する釜山ビエンナーレ

前回(2012年)の釜山ビエンナーレの会場風景。

 もうひとつは9月20日から始まる釜山ビエンナーレ。8回目となるこのビエンナーレには30カ国から約160名のアーティストが参加する。ディレクターには元パレ・ド・トーキョー(パリ)館長で、現在はフランスのマーグ財団美術館館長のオリヴィエ・キャプランが起用されている。彼が掲げたテーマは「Inhabiting the World(世界に住む)」。現実の世界に働きかけ、それを変えていこうとする倫理的、美的な試みとしてのアートに力点が置かれている。日本からは塩田千春や郡田政之が参加する。

釜山ビエンナーレ2014のポスター。

 またメイン展示のほかに、過去50年の韓国現代美術が国際展とどのようにかかわりながら成長したかを再考する「ビエンナーレ・アーカイブ」とアジアの4人の若手キュレーターによる「アジアン・キュレトリアル」というふたつの特別展示も行われる。

 世界は現在、大きな変化と危機の状態にある。そのなかでアートの果たす役割を考えるのも、現代アートの楽しみ方のひとつと言える。今の世界にアーティストたちはどう向き合っているのか。国際展を通じて、そのいちばん新しい状況に接してみるのも興味深い。

光州ビエンナーレ
会期 2014年9月5日~11月9日
会場 光州ビエンナーレ展示館ほか
URL http://www.gwangjubiennale.org/eng/gb/

釜山ビエンナーレ
会期 2014年9月20日~11月22日
会場 釜山市立美術館ほか
URL http://www.busanbiennale.org/japan/sub01/01_fix.php

鈴木布美子 (すずき ふみこ)
ジャーナリスト。80年代後半から映画批評、インタビューを数多く手掛ける。近年は主に現代アートや建築の分野で活動している。

Column

世界を旅するアート・インフォメーション

世界各地で開かれている美術展から、これぞ!というものを、ジャーナリストの鈴木布美子さんがチョイスして、毎回お届けします。
あなたはどれを観に行きますか?

2014.09.11(木)
文=鈴木布美子