好きなものにおいてこだわりが強く発揮される作家・千早茜さんの『しろとくろの偏愛』の刊行を記念して、菓子研究家の福田里香さんとのトークイベントが開催されました。

 二人とも興奮してしまうチョコレートの魅力について語ります。(全2回の1回目/続きを読む)


●フランスのサロン・デュ・ショコラ

福田 この本に書かれているサロン・デュ・ショコラに私も縁がございまして、以前、雑誌の取材でフランス、パリのサロショに行ったことがあるんです。バイヤーとショコラティエを取材させてもらって。

千早 そうなんですね! 日本のサロショはパリにお店があるショコラティエが多いイメージですが、フランスのサロショでは、地方のお店がそれぞれの土地の特色をだしているのでは……とハアハア想像しています。お店の数もすごそう。

福田 今はちょっと人気が凄まじいじゃないですか。そうなってからはあまり追いかけてはいないんです。

千早 そうですね、買うのも争奪戦だし、私も毎年やめようかなっていう気持ちにはなるんですよね。

福田 この本を拝読して千早さんが貪欲に新しいメーカーを探索していらっしゃるのがよくわかりました。食べたい欲が猛烈に湧く文章ですよ。

千早 でも、ここに書いたのはほとんど誰もが知っているものばかりで。入門編ですね。

福田 え、そうなんだ。浦島太郎だ。現役ハンターの千早さんの後をついて行きたいです。発掘物はどうやって選んでるんです?

千早 やっぱり出店数が多いので、今年はキャラメルとか、今年はギモーヴとかサブレとか、その年のテーマを決めて、このシェフのを食べてみようってしています。伊勢丹のバイヤーさんが何をセレクトするかがわからないとテーマが決められないので、まずはバイヤーさんの傾向を案内のブックで把握しますね。バイヤーさんの推しがわかってそれを狙うと争奪戦になるから、逆にこのシェフのこれをとか、ブックに載せてないけどサイトにはあるみたいなのをしっかり調べますね。

福田 コミケみたいな感じ!

千早 売り場の地図ももちろん見ます。この間、友だちから三越の英国展に行きたいと言われたんです。まず地図をプリントアウトして、人気展の行列も予想して、どう回れば最も速く確実に欲しいものを手に入れられるかを考えないといけないじゃないですか。でも友だちは、そういう感じではないと。絶対これが欲しいとかじゃなくて、雰囲気を楽しみたいんだと言われて、買えないんだったら買えなくてもいいみたいなそういう楽しみかたも豊かだなって初めて思いました。

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