2025年1月の公開から約1年が経過し、今でもロングラン上映中の香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』。劇中で、虎兄貴の黒社会組織で若頭を務める青年・十二少(サップイーシウ)役を演じ、日本でも人気急上昇中なのがトニー・ウー(胡子彤)だ。

 このたびは残念ながら公演延期となったが、本作で共演したレイモンド・ラム(林峯)のワールドツアー「Go With The Flow in Japan」に、歌手としてゲスト出演が予定されていた。そんな彼に、俳優や歌手、野球選手としての今後の展望や、プライベートまで独占インタビュー!(全3回の3回目  ※このインタビューは2025年12月19日に取材したものです)


レイモンド・ラムのコンサートに歌手としてゲスト出演

――トニーさんの所属事務所のボスであり、『トワイライト・ウォリアーズ』では主人公・龍捲風役を演じたルイス・クーさんの印象について教えてください。

 初めて彼に会ったとき、本当に興奮しました。これまでTVや映画でしか見られなかった大スターが、僕の隣の机でご飯を食べているなんて信じられなくて。その後、たくさんのチャンスをもらい、今では一緒に仕事をする機会も増えてきました。とても厳しい人、という印象があるかもしれませんが、実際は怖いというより、生真面目な性格。僕たち若手だけでなく、所属するすべてのアーティストのことをよく分かっている人です。

 撮影中、「このシーンは、どんな仕上がりになると思う?」と聞いてくださり、僕たちの意見にもしっかり耳を傾けてくれるんです。本当に素晴らしい先輩であり、上司なので、もしボスの主演最新作『尋秦記』が日本で公開されたらぜひ観に行っていただきたいです!

――現在ワールドツアー中のレイモンド・ラムさんのコンサート「林峯 Raymond Lam Go With The Flow」へのゲスト出演が決まったときの率直な感想は?

 ステージに立つことが大好きなので、とにかく嬉しかったです。素晴らしい機会を与えてくれて、心から感謝しています。僕も将来的は、彼のようになりたいと思っています。今はまだ微力なので、先輩たちを見習って、一歩一歩努力して、頑張るしかありません。

――これまでゲストとして出演された香港公演と広州公演での印象的なエピソードはありますか?

 やはり「城寨四少」の4人が揃って、同じステージに立てたことです。緊張すると思っていたのですが、不思議なことに楽しみが先行して、あまり緊張しませんでした。そして、『トワイライト・ウォリアーズ』の主題歌である「風的形状」を歌いながら、ステージから観客のみなさんを見る光景は、本当に素敵でしたし、あの瞬間は一生忘れることはないと思います。

自身の持ち歌も、チャート1位を獲得

――2025年11月には、自身の楽曲「傷膝青年」がラジオ局(903)のヒットチャートにて第1位になりました。初のチャート1位を獲得されて、どう思われました?

 その知らせを知ったときは、マレーシアでアクション映画の撮影中で。かなりハードな撮影だったので、撮影後はできるだけホテルで休むようにしていたのですが、興奮したのを覚えています。まるで自分の夢に一歩近づいたような気持ちになりました。野球選手から、俳優を経た歌手としての活動がこのような形になるなんて、想像すらしていませんでした。

 今後はプレッシャーにならないよう、今までのプロセスを楽しむことがいちばん大事だと思っています。初心を忘れず、今後もいい楽曲をリリースしていきますので、ランキング上位になるように、ぜひみなさんにも応援していただけたら嬉しいです。

――幅広く活躍されていくなか、今後の活動の展望や希望について教えてください。

 事務所に入ったときに、「将来は俳優としてやっていく」と心に決めたので、これに関しては最優先で続けていきたいと思っています。そして、言葉を発さなくても表現できるトム・ハーディのような俳優になりたいです。

 幼い頃から続けている野球は、僕の人生において、なくてはならないものになっています。とはいえ、選手生命がありますから、できるだけ試合に出場し続けたいですね。2026年には名古屋で「アジア競技大会」もあり、仕事のスケジュール次第ですが、できるだけ出場したいと思っています。好きな野球のために、遊ぶ時間を多少犠牲にするぐらい何てことはありません(笑)。

 歌手としては、2026年の初めに新曲を届けるために準備中です。本格的な歌手活動はまだ一年程度で、模索段階なので、いろいろなスタイルの音楽の可能性を試してみたいと思っています。今年は、挑戦していく1年になるかと思います。

常にパワーを与えてくれるヒーロー・フィギュアの存在

――野球以外に、幼い頃に夢中になったものはありますか?

 子どもの頃から好きなのはウルトラマンと仮面ライダーです。そして、「ヒーローになりたい! 地球を救いたい! 何かを成し遂げたい!」と思っていました。だから、今も僕の家にはたくさんのフィギュアがあります。世代的にはライダーといえば、「仮面ライダークウガ」「仮面ライダーアギト」「仮面ライダー龍騎」が印象深いです。

 仕事で疲れてしまったり、落ち込んでしまったとき、フィギュアは僕にパワーを与えてくれる存在なんです。幼い頃に「ヒーローになりたい!」と願っていた自分を思い出させてくれる大切な存在になっています。

――「仮面ライダークウガ」といえば、主演は俳優のオダギリジョーさん。17年に名カメラマンであるクリストファー・ドイルさんが監督した映画『宵闇真珠』ではオダギリさんと共演されましたが、当時の思い出は?

 クリス監督もオタギリさんも“アーティスティックな方”という印象です。あまり言葉を交わさなくても、お互いを理解しているという不思議な空気が現場に流れていました。その頃の僕はまだまだ新人で、現場で「一緒に写真を撮ってください」と言えるような勇気もなく、オダギリさんを見るだけで満足していました。今となっては名残惜しいことですが……。

 長洲島ロケのある晩、買い物するためにホテルから外出した僕の前を、一台の電動スクーターが通り過ぎたんです。それが夜風に吹かれながら、夜の長洲をエンジョイしているオダギリさんだったんです。そのスタイリッシュでカッコいい姿に痺れたことも、忘れられない思い出です。

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トニー・ウー(胡子彤)

1992年4月16日生まれ。香港出身。香港代表の野球選手として、さまざまな大会に出場。2016年、『最初の半歩』で俳優デビューし、「第36回香港電影金像奨」最優秀新人賞を受賞。その後、『レイジング・ファイア』(21年)、『七人楽隊』(21年)、『神探大戦』(22年)などに出演し、注目を浴びる。24年に公開された『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』では、黒社会に所属する若頭・十二少役を演じ、日本でも人気を博す。また、歌手としても活動している。

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