メディコム・トイとのコラボレーションで生まれる、化学反応

 日本にその土壌がある背景には、メディコム・トイのようにトイとアート、カルチャーを掛け合わせて発信するブランドの存在も大きい。メディコム・トイとの最初のコラボレーションが実現したのは、2019年。

「メールで突然のアプローチを受けました。ベアブリックは以前から知っていたので光栄でした。ただ、有名なおもちゃ会社なので、プレッシャーも感じました。赤司社長とミーティングして、最初に400%と1000%のベアブリックを1個ずつ作りました。その後もっと作ることになり、これまでに100体以上のベアブリックを作りました」

 ベアブリックとのコラボレーションでは、ベースのフォルムが決まっている。アンは「自由に作るより難しいですが、絶対にこちらのほうが面白い」と話す。

「私はいつも、ベアブリックだと分からせながら他の動物と融合させるチャレンジをしています。また、ぬいぐるみの下にベアブリックがあるのではなく、ベアブリックがぬいぐるみになったような雰囲気を出したい。そのバランスを実現するのが難しい。自立して腕を動かせることも最低限の条件で、耳も必ずありますから、耳合わせも大変。でも、ブランドのクリエイティブと自分の化学反応が毎回楽しみです」

 今後チャレンジしたいことは?

「いつか、着物など日本の伝統的な生地を作品に取り入れてみたいです。でも、あまりに素晴らしいものなのでダメージを与えたくない気持ちもあり、複雑です(笑)」

 ーアン・ヴァレリー・デュポンの世界観が詰め込まれた作品が一堂に会す「Bestioles」は、14日(日)まで。会場内には手に取りやすい雑貨やブローチから、一生のお供になりそうなベアブリック、動物たちをモチーフとした作品まで幅広くそろう。クリスマス気分も高まるファンタジーな会場に、ぜひお足を運んでみては。

「Bestioles」

会期:2025年12月14日(日)まで
会場:メディコム・トイ プラス
所在地:東京都渋谷区神宮前4丁目12−10 表参道ヒルズ西館 B2F
入場料:無料

一部作品はオンラインショップでも販売中

https://mct.tokyo/collections/anne-valerie-dupond-bestioles

メディコム・トイ

https://www.medicomtoy.co.jp/