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ハイジ、赤毛のアン、パンダコパンダ……かつて「憧れた世界」と「日常」

 第二章「日常生活のよろこび」では、『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』『母をたずねて三千里』『パンダコパンダ』、その土地に住む子どもたちが生きる日々を描いた作品が取り上げられています。

 まだ海外旅行が一般的ではない時代に、『アルプスの少女ハイジ』ではスイスに、『母をたずねて三千里』ではイタリアやアルゼンチンに、『赤毛のアン』ではもちろんカナダのプリンス・エドワード島にロケハンに行ったそうです。

 約半世紀前の作品なのに、描かれる風景の美しいこと!

 アニメを通じて海外の暮らしに憧れたことはありませんか?

 ハイジが眠る干し草のベッドや、アンがダイアナとピクニックをするシーン……こうした丁寧に描かれた風景が、幼い私たちに広い世界を教えてくれたのだと感じます。

 日本が舞台である『パンダコパンダ』のエリアでは、宮崎駿監督のレイアウトで描かれる、愛らしいパンダのカットが多数見られます。トトロやネコバスにつながるようなもふもふ感が伝わってきます!

2025.07.15(火)
文=宇野なおみ
撮影=末永裕樹