名曲だらけ! 主題歌紹介

 神主題歌はまだまだある。こんな力が湧いてくる曲ありますかッと力説したくなるのが「誰よりも遠くへ」「ぼくのミシシッピー」(「トム・ソーヤーの冒険」)。どうでもいい話なのだが、「トム・ソーヤーの冒険」の後半、「インジャン・ジョー」というインパクト大の殺人犯が登場する。この放送時期、私のクラスではじゃんけんの掛け声「じゃんけんぽん、あいこでしょ」を、「インジャンジョー! あしたのジョー!」に変えて言うのが流行った。本当にどうでもいい情報、失礼しました……。

 澄んだ歌声をやたらと覚えているのが笠原弘子さんの「空へ…」(「ロミオの青い空」)、やまがたすみこさんの「虹になりたい」(「南の虹のルーシー」)、小林千絵さんの「風の子守唄」(「牧場の少女カトリ」)。大人になってから聴くと、汚れた心が洗われるようで、なお沁みる。「牧場の少女カトリ」はウィキペディアに「西洋版おしんと紹介されることもあった」と書いてあるのだが、どどどどんなド根性展開だったのだろう。ストーリーを詳しく思い出せない自分が悔しい……。

今もあの感動は心に

 さて、現在、日本アニメーション公式YouTubeチャンネルで無料配信されている「世界名作劇場」が「ふしぎな島のフローネ」。ロビンソン一家が船旅の途中無人島に流され、サバイバル生活を余儀なくされるというストーリーだ。DIY上手なお父さんが、頼り甲斐がありカッコいい。彼の「0円で作るアイデア炸裂な日用品」に感動したものだ。放送時の1981年から44年経っているので、きっと感動ポイントも変わっているだろう。それもまた楽しみだ。

 アニメーションは、色とりどりの冒険と感情をくれる魔法。「世界名作劇場」はまさに、誰よりも遠くへ連れて行ってくれる不思議な扉のようだった。つくづく、私は幼い頃、素敵な魔法をかけられて育ったんだなあと思う。
ありがとう、世界名作劇場。あの感動は、さめない夢のように、ずっと心に!

日本アニメーション創業50周年を記念して、名作の作品世界を支えてきた主題歌や劇中伴奏曲のサブスク配信が開始。各種音楽サービスから、「フランダースの犬」をはじめとする6作品に使用された楽曲がストリーミングやダウンロードで楽しめる。
https://www.nippon-animation.co.jp/music/

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田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2025.07.14(月)
文=田中 稲