真剣なものを上げるのは照れくさい

――秋山さんにとってこの一連のイラストは、どんな位置付けなのでしょうか? 普段のコントなどとは違うと思いますが。
秋山 イラストは「ネタをやるぞ!」という気持ちでは始めてないんです。元々絵を描くのが好きで、皆さんにそれを知ってもらいたいなと思って。始めてみたら皆さんほめてくれるんですけど、先ほどお話したように、自分はそこまで上手くない、もっと上手い人たちがいるという劣等感がちょっとあるので、ただ真剣な絵を上げるのも照れくさくて。なんかこうちょっと「フフフ」「ニヤッ」みたいな、口角が上がる絵を描こうと思ってるんです。
――その通りの反応をしちゃってます。
秋山 結果的にネタっぽくなってるかもしれませんが、「ネタ書くぞ」みたいな強い気持ちというよりは、もうちょっと気楽にというか、楽しく「面白」の要素が入ったものがいいなと思って。
――では、今後さらにチャレンジしてみたいことはありますか?

秋山 そうですね、このイラストはあくまでネット上だけの展開なので、もうちょっと見ている人の顔やリアクションなんかが見てみたいな、とも思います。例えば個展などで、作品がどう届いているのか見たいというか。また、基本的に僕がひとコマで出して終わっていることを、「その先はこうなればいいんじゃない?」と別の方に広げていただいたりとか、動画で動かしてみようとか、別の方とも一緒にやれたら面白いですね。
――マクドナルドさんとのコラボのようなものも、また見たいですね。
秋山 はい、普段は自分で勝手にモチーフを決めているので、そういうお題をいただいて、与えられたモチーフやテーマでももっと描いてみたいですね。たべっこどうぶつさんのイラストも、「届け!」と思って描きました(笑)。

――他のどうぶつバージョンなども見たいですよね。今後の展開が楽しみです。
秋山 そうですね、色々な活動を増やしていきたいです。なんかいい予感がしたり、自分がやりたいと思ったら、なるべく実行に移すようにしようと思います。絵も、ずっと好きだったけど、自信がなくてなかなかやれなかったのですが、トナカイの時の反応に背中を押してもらった感覚がすごくあって、それで行動に移せたので。
――見たいと思っている人は多いと思います。
秋山 嬉しいです。余談なんですが、見取り図の盛山さんがイラストを見てくれて、番組でご一緒した時に「あれええなあ」みたいに言ってくださって。SNSをバーッと見てると、とげとげしいこととか下品なノリが多くて心がすさんでいくけど、僕のイラストを見てすごく和んだから、「俺、締めに絶対秋山の絵を見るようにするわ」って言ってくれたんです。そんな役割を担えるのか……! と思って本当に嬉しかったです。
――では今後も定期的にアップされるのを楽しみにしていますね。
秋山 はい、SNSで心が安らげなくなったときは、ぜひ覗きにきてください!
秋山 寛貴(あきやま・ひろき)
1991年9月20日生まれ。岡山県出身。2014年に岡部大、菊田竜大とお笑いトリオ、ハナコを結成。ワタナベコメディスクール12期生。キングオブコント2018王者。ハナコのネタは、メンバーの岡部 大とふたりで考えている。現在、日本テレビ系『有吉の壁』、フジテレビ系『新しいカギ』他、多数レギュラーに出演中。脚本執筆やエッセイ連載など、文筆業にも積極的に取り組むほか、『レコメン!』(文化放送)の火曜パーソナリティーも務める。かが屋の加賀 翔とふたりのトークライブや、ひとりでジェスチャーをし続けるソロライブなども行い、表現の場を広げている。

2025.07.08(火)
文=斎藤真知子
撮影=佐藤 亘