「“お化け”そば」が目の前に!

 薬味には辛子をすすめられたので付けてもらった。なるほど、お化けのようにデカいってことなのだろう。

 辛子をお揚げの上にのせて食べてみる。食べ方に決まった方法はないようで、適当に箸でお揚げを崩して辛子をちょこっと付けて食べてみた。

 うまい。おでんのような味だ。のじろうのつゆは、出汁に鯖節、ムロアジ節、昆布を使っている。それに甘くしょっぱい返しを合わせているので、関東風のおでんの味に近い。

 無料の天かすをのせて、きつねとたぬきのそばにして食べてみたがこれもまたうまい。

 このお揚げ、近所の豆腐屋ではなく、なんと香川県から取り寄せているそうだ。オーナーの野口次郎さんが見つけてきたそうである。

 以前、野口さんが香川県高松市にあるうどん屋をたまたま訪れ出会ったのがこの大きなきつねがのったうどんだったという。それが忘れられず、お店でも出してみようということになったとか。

「つゆは関西風じゃないから厳密には違いますけど、関東風のウチのつゆともよくマッチしていて、それが人気の秘訣。肉そばが人気だけどこういうオーソドックスなメニューが流行るのは嬉しい」と三津田店長はいう。

お揚げを作る豆腐屋さんには感謝深謝である

 お揚げは豆腐屋にとっては豆腐と別のラインで作るひと手間かかる商品だという。木綿豆腐よりはるかに硬い生地を作る。重石を置いて、水分を十分に排出して硬くするのがポイントだという。それを1センチ位の厚さに切って、まず低温の油で揚げて大きく膨らます。さらに高温の油に移してきつね色になるまで揚げて、ふっくら感やカリカリ感を出していく。大変な作業である。お揚げを作る豆腐屋さんには感謝深謝である。そんなわけで、今年の夏はお揚げで乗り切ろうと考えている次第である。
 

INFORMATION

「立喰い肉そば・肉うどん のじろう江古田店」
住所 東京都練馬区小竹町1-57-5
営業時間 8:00~20:00
定休日 なし

2025.06.26(木)
文=坂崎仁紀