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火山活動で生まれた街をモチーフに、伝統とモダンが混ざり合う3棟の建物

 3つの建物のうち、目を引くのが12階建てのリボン・ビルディング。ソフトクリームの上だけ、というイメージでしょうか。円筒形に似た建物にぐるぐるとリボンが巻きついています。最上階のテラスからはエジンバラの名所アーサーズ・シートから海まで、360度ビューが広がります。

 リボン・ビルディングと通りを挟んで向かいあうのが、1775年建造のテラスハウスを改築したジェームズ・クレイグ・ウォーク。“ジェームズ・クレイグ”とは、新市街の構想を練った若き建築家のこと。館内には当時のままジェームズ・クレイグ・ウォークという通りのオリジナルの石壁が残されています。エジンバラの住宅によくみられる、上げ下げ窓もすべてそのまま残しているそうです。

 そしてリボン・ビルディングと連結したクォーターハウスは、エジンバラ建築に着想を得ているそう。この3棟で全199室と45のスイートが展開しています。

 インテリアは、火山岩の上に築かれたエジンバラの街にちなみ、“火”と“水”の対比がインスピレーション源に。ウェルカムデスクには火山岩を配し、Wラウンジのバーは地元ゆかりのアザミやウォードブルー(藍色)といった色彩でまとめられています。

 客室はスコットランドの自然景観から取り入れた色使いでまとめられ、ほとんどの部屋がテラス付き。スイートはゆったりとしたオープンプランのリビングに、スタイリッシュなデザインがWならでは。

 ペントハウスやプレミアスイートのテラスはさらに広く、エジンバラ城など街の名所を部屋にいながら愛でられます。

 遊び心の効いたデザインのみならず、「Whatever/Whenever」(いつでもどんなことでも)の細やかなサービスが、ラグジュアリーな滞在を叶えてくれます。

2025.06.14(土)
文・撮影=古関千恵子