――カラスを怖がる人もいますが、いかがでしたか?

鈴鹿 はじめは野生のカラスはゴミを荒らしたり、人を襲うこともあると耳にすることもあったので、どうなんだろうと思っていたのですが、僕も「カァ、カァ」言いながらカラスと会話している気分になっていったし、怖いという感情は全くなくて、触らせてもらったりしました。

「僕がテレビや映画に出ている姿を見せてあげたかった」

――映画の紹介として『失われた人との時間は、もう二度と戻ってこない。でも、「再会」を贈ることができるなら、あなたはその贈り物を届けに行きますか』とあります。鈴鹿さんは、再会したい人はいますか?

鈴鹿 いっぱいいます。一回お仕事でお世話になった方や、ご一緒した方との再会とか。最近はそうした機会も少しずつ増えてきて、この映画の前田監督もそうですが、また現場でお会いできてすごく嬉しかったです。

 あと、僕の祖父母に会いたいです。母方の祖父母は健在で、「『MEN’S NON-NO』買ったよ」って僕のモデル姿を見てくれるし、テレビや映画に出ている姿を見せることができて良かったなって思います。父方の祖父母は僕が中学2年生のときに2人とも亡くなっているので、生きている間にそうした姿を見せられたら良かったなって思います。

共演者と話をして忘れられないことは……

――今回共演された鈴木亮平さんと有村架純さんとは現場ではどんなお話をされましたか? 

鈴鹿 役の話はもちろん、たこ焼きの話もしました。前田監督と(ファーストサマー)ウイカさんは大阪出身で、(鈴木)亮平さんと有村さんは兵庫県出身で、僕は岡山なので、関西の隣ってことで、子どもの頃からたこ焼きをよく食べているメンバーでした。

 どこのたこ焼きが美味しいとか、小さい頃はたこ焼きが100円だったよねと、僕も思い出しながら、たこ焼きの具材では前田監督はこんにゃくを入れたりするみたいで、たわいない話をしていました。休憩中もみんなで穏やかに雑談する時間も楽しかったですし、そんな空気感も映像に出ていたらいいなと思っています。

撮影 石川啓次/文藝春秋
スタイリング 松川 総
ヘアメイク TAICHI NAGASE(VANITÉS)

2025.05.18(日)
文=松永 怜
撮影=石川啓次/文藝春秋
スタイリング=松川 総
ヘアメイク=TAICHI NAGASE(VANITÉS)