〈「カミソリ入りのファンレターが届いたり…」浅野ゆう子が語る“女性のアンチファン”に嫌われていた時代と、それが180度変わった瞬間〉から続く
人気コミック原作のNHK夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから』でカリスマ婚活コンシェルジュ・東堂百合子を演じる浅野ゆう子さん。
浅野さん自身は57歳の時に結婚し、仕事の合間と並行して家事を一手に引き受けているという。パリッとした印象とは対照的な、意外な結婚生活についてお話を聞いた。

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――浅野さんは過去のインタビューでは「一人で生きていくと思っていた」とおっしゃっていたこともありますが、2017年に57歳で結婚したのはどんなきっかけだったんですか?
浅野 「還暦を過ぎたら残りの人生は神様からいただいたおまけみたいなもんだ」と、どなたかの言葉で聞いたことがあって、その通りなんだろうなと思っていた頃、今まで周りにいなかったタイプの人が、とても真摯な気持ちで私と向き合ってくれて。残りの“おまけの人生”を一緒に心地よく過ごしていこうと提案してくれたものですから、私も前向きに考えて応えたんです。
――お相手の提案がなかったら今もそのままの関係が続いていた?
浅野 多分そうでしょうね。ただすぐにコロナ禍がやってきて、1人だったら1週間誰とも口をきかない日々が続いたりして、そのタイミングで結婚していたかもしれません。初期の頃は治療法もわからなくて、もしかしてどちらかが感染して搬送されたりしたらそれこそマスコミに騒がれて面倒くさいじゃないですか。そう思いません?(笑)。
「たぶん若い頃だったら怒ってしまって、その時点でもう終わりだったでしょうね」
――57歳での結婚について、浅野さんが「ご自身にとっての結婚適齢期だったのかも」とおっしゃっていたのが印象的でしたが、色々な意味でタイミングだったのですね。
浅野 私の場合は、自分が誰かと責任を持って生きていけるという覚悟ができたときが結婚適齢期だったのだと思います。提案されるまでは考えてもいませんでしたけど、言われてみて「ああそうか、今なのかも」と。それにしても、食事の支度というのがこんなに大変だとは思いませんでした。夫が外食があまり好きじゃないのは、結婚するまでわからなかったんですよね。

――食事は浅野さんが作られるんですか?
浅野 基本的に家事は私がやっています。私が仕事で遅いときに「今日は何か作って待っていてあげようとか思わないの?」と聞いたことはあるんですよ。そしたら「だって1回作ったらずっと作らなきゃいけないじゃん」と言われてしまって。
――喧嘩になってもおかしくなさそうですよね。
浅野 たぶん若い頃だったら怒ってしまって、その時点でもう終わりだったでしょうね。でも今は喧嘩になりません。若い頃は許せなかったことが許せるようになったのは、たぶん私が大人になったから(笑)。みんな年を取ると丸くなりませんか? ちょっとしたことで瞬間的にカッとすることもなくなってきましたね。
――若い頃から親しい関係の男性はいた、ということですか?
2025.05.11(日)
文=田幸和歌子