――もともとのテンポを変えたら、性格も変わってきたのですね。
浅野 普段から馴らしておかないと急には変われないですから。長い友人とも時々その話になって、「昔は早口だったけど丁寧に喋るようになったよね」と言われたりするんですよ。
――逆に昔から変わらないこだわりのようなものはありますか?
浅野 演じる役のこだわりは実はなくて、本当は地方の髪の毛がボサボサのおばあさんの役もやってみたいんです。イメージなのか、かっこいい感じの役のオファーをいただくことが多くて、それはもちろんすごく嬉しいんですけど、私は特にこだわりはないので何でもやってみたいなと思っているんです。
「3回くらい『やめてね』と注意したんですけど、それでも直らなそうだったので」
――バラエティ番組でもよくお見かけします。
浅野 バラエティーは楽しくて大好きですね。ただ自分のことを俳優だと思っているので、企画でも「俳優はそれはやらないのでは」と思うものはお断りすることもあります。

――結婚生活でお互いに譲れなかったりすることもあるのですか?
浅野 どうでしょう、特にない気がしますね。若い頃は良い部分を見せなきゃいけないと思いましたが、今はお互いに自由です。眠くなったら先に寝ちゃうし、洗濯物の靴下が裏返って丸まったままでも、そのまま洗濯機に入れちゃいます(笑)。
――洗濯物の靴下問題ですね。
浅野 3回くらい「やめてね」と注意したんですけど、それでも直らなそうだったので「もうそのまま洗うからね」と。夫にはサバサバしすぎているのかもしれませんけど、時々「もうちょっと女性らしくしよう」と言われることもあるんです(笑)。でも普段の私はダラッとした格好で過ごしたりもしますし、もう高齢枠の夫婦ですから、そこはお互い無理せず楽な形を見つけていきたいですね。

2025.05.11(日)
文=田幸和歌子