固定概念をなくし、器選びがより楽しくなった

 多くの作家さんやバイヤーさんと話している中で、感銘を受けたのが、器の使い方。

「マグカップならお茶や珈琲、お茶碗ならご飯を盛付けるものだと思い込んでいたのですが、ある作家に『お茶碗にビールを注いで飲む』と教えてもらったときは衝撃でした。器は自由に使っていいんだ、と知ってからは器の無限の可能性にワクワクするようになりました。器を見ながら、何を入れようか、組み合わせたらどのようになるか、アレコレ想像するのが楽しいんです」

コットショップの器+山一のせいろ=蒸し料理

 例えば、骨董の器を揃えている<Kotto Shop(コットショップ)>の器。おかずを入れたりするのが一般的ですが、石岡さんは電子レンジで加熱できるほど耐久性に優れた点に注目。信州木曽で作られた<山一>の日本製せいろに<コットショップ>の器を重ね、中に食材を入れ、蒸し料理にしてそのままドン! と食卓へ出したりするのだそう。ゲストの前で熱々の料理にごま油をかけると、それだけで盛り上がると言います。

mushimegane books.=アクセサリートレイ/おかず入れの2WAY

  <mushimegane books.(ムシメガネブックス)>の高台皿は、食器やアクセサリートレーとしても活用していると言います。

 石岡さんは、普段からひとつの器で何通りも使い方をアレンジするそうで、どの器に対しても即興でいろいろなアイディアを提案してくれます。今回のイベントでは石岡さんが店頭にいる時間帯もあるので、気になる器の使い方のアイディアを聞いてみるのもおすすめです。

2025.05.08(木)
文=桐生奈奈子
写真=釜谷洋史・田村昌裕(freaks)