「なぜこんなに慣れないんだろう」野球の世界でガチガチに

内田 聖子さんはパートナーの偉大さを知り、その人の隣にいる人生を歩むことになって、ライフスタイルも変わったのですか。

ダルビッシュ 初めのうちはわからない世界すぎてガチガチになっていました。今はガチガチではないけれど、毎年主人のシーズンが始まるたびに、何年もやっているのになぜこんなに慣れないんだろうと我ながら呆れます。

 でもそれは、子どもたちがそれぞれ成長するにつれて状況が変化するからなんですね。眠ってばかりの赤ちゃんが歩き出して、騒ぎ出して、意思を主張するようになる。主人の睡眠を妨げないように、子どもたちを庭で遊ばせたり、庭がないときは公園に連れ出したりしなければなりません。5人いるからそれが5回繰り返され、ベビーカーに乗せる子はいつも1人だけれど、走り回る子どもがどんどん増えていく。

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 どの子からも目が離せないので大変ではありますが、私は納得してやっているから苦ではありません。そもそも私はナショナルチームのコーチとして、いかに選手がベストパフォーマンスできるようにするかということをやってきたわけですから。

内田 妻の内助の功というのとはちょっと違いますね。聖子さんは主体的にやっている。

ダルビッシュ なかなか至らないところもあるんですよ。家庭の中にいる主人ばかり見過ぎていると、メジャーリーガーのダルビッシュ有であることを忘れてしまうんですね。私がするべきこと、納得したことを忘れかけたときは、主人が登板する試合を家族みんなで応援に行って、そうだ、主人はこういう仕事をしているんだと再確認します。

※夫・ダルビッシュ有さんとの馴れ初めの詳細や、有さんと長男の関係、米国を転々とする家族の生活について語った全文は発売中の『週刊文春WOMAN 2025春号』で読むことができます。

だるびっしゅせいこ/1980年神奈川生まれ、横浜市育ち、米国サンディエゴ在住。元レスリング選手・指導者・グラップリング選手、現在柔術青帯7年、2度の結婚で子ども5人。父、姉、兄がレスリング選手という一家の末っ子。自らも5歳からレスリングを始め3階級で4度の世界王者に(1999、2000、2001、2003)。引退後は米国女子レスリング代表ジュニア監督、シニアアシスタントコーチを2シーズン務める(2013、2014)。夫はMLBサンディエゴ・パドレス所属のダルビッシュ有投手。

うちだややこ/1976年東京生まれ、東京・ニューヨーク・ジュネーブ・パリなど転々として育つ。文章家、戦没画学生慰霊美術館 無言館共同館主、初恋の人との結婚は今年で30年を迎える。子どもは2男1女。音とアート、旅すること、人と出会うことが好き。最新刊は『BLANK PAGE 空っぽを満たす旅』(週刊文春WOMANの連載を収録)。日曜朝のEテレ『no art, no life』で語りを担当。5月6日、渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて「Happy Mother's Day!~母に感謝のコンサート2025 in TOKYO~」のストーリーテラーを務める。

対談構成・小峰敦子

週刊文春WOMAN vol.25

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2025.04.18(金)
対談構成=小峰敦子