この記事の連載
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世界遺産の島・佐渡島【工藤阿須加さんインタビュー】
シンボルの三角家や曲がりくねった細い路地がそのまま残る

背後に海岸段丘が迫り、南に海を望む地形に、都市のような機能を持つ特徴的な住環境をつくりあげてきた宿根木。
限られた土地を有効に使うために密集して建てられた二階建ての木造家屋、入り組んだ家のすき間を縫うように海に向かって伸びる細路地など、独特な街並みは今もそのまま目にすることができます。
船大工の技術を活かしたさまざまな建築技法が見られるのも特徴。たとえば日本海から吹き付ける潮風から建物を守るため、すべての住居の壁は包み板と呼ばれる縦板張りとなっています。

当時は瓦が手に入らなかったため、薄く割った板を何枚も重ね、その上に石を置いた「石置木羽葺屋根」と呼ばれる屋根で風や雨漏りを凌いでいました。

そして、宿根木のシンボルといえば三角家。土地の形に合わせて敷地を最大限活用するために三角形の間取りが採用されていて、その形状から“舟形の家”とも言われています。

2025.03.29(土)
文=CREA編集部
写真=佐藤亘
動画=VECKS
ヘアメイク= 中嶋竜司
スタイリング=伊藤省吾