民宿でありながら実家のような宿

 まるで実家にでもいるかのように居間でテレビを見ていたら、テーブルに続々と料理が並べられた。まずは五島で釣れたマダイのあら鍋。

 優しくも濃厚な鯛の出汁が身体にしみわたる。大鯛のあらが使われているためカマやほほの肉付きもよく食べ応え十分。申し分ない量のお野菜も、価格が高騰する昨今ではありがたい。

 女将さんからの提案で皿うどんの選択肢もあったのだが、鍋を選んでよかった。もちろん皿うどんも気になるので、連泊するのなら、どちらも頼みたいところだ。

 そして釣果のキジハタとウマヅラハギの煮付け。

 新鮮なキジハタのぷりっとした身はハタ特有の触感であり、柔らかくタレとのなじみが良い。

 シメのご飯はマダイの漬け丼。しっかりマダイにタレがしみておりご飯がすすむ。今日だけは炭水化物のリミッターを解除しておかわりをいただいた。

 食後は寝室に戻ることもできたが、アットホームな環境が居心地よく、しばらく居間で談笑して過ごした。それにしてもかずおさんの五島弁は長年連れ添う女将さんでも聞き取れないほど独自の訛りがある。慣れるまで時間を要したが、コミュニケーションはフィーリングで何とかなることが分かった。

 翌日も小屋で釣りをしたところ、カワハギ仕掛けでメジナやウマヅラハギ、泳がせ釣りでは小型ではあるもののクエまで釣れた。暖かい季節ならさらに驚くような魚も釣れるかもしれない。

 本格的な釣りを目的に来島する方から観光目的で釣りも体験してみたい方まで、誰でも楽しめるのでぜひかずおばんの家に遊びに来てみてはどうか。

 後編では上五島の堤防から40cmを超える巨大なアジを追う。

もはや青物サイズの大物…! 堤防から40cmの巨大なアジが釣れる「“アジの楽園”上五島」が異次元すぎました〉へ続く

2025.03.14(金)
文=ぬこまた釣査団(大西)