ダンサーの個性と美しさを写し出したい

――写真家としては、バレエダンサーという被写体とどのように向き合っていますか?

 今回の公演のビジュアルもそうですが、私はダンサーの皆さんと一対一で撮影すること好きで、実はバレエの舞台写真はあまり興味がないんです。

 バレエは、ある意味で“正解のある踊り”なので、舞台写真には“このポジションで、このポーズであればOK”という教科書的な基準があります。

 そのバレエの基本を抑えながらも、ダンサー一人一人の個性と美しさを写し出したいと思って写真を撮っていて、ダンサーの皆さんと一緒に写真を創り上げている感じだなと思います。

――井上さんは『EOL』を通してどんなことを伝えたいとお考えですか?

 『EOL』に出演するバレエダンサーのシルビア・アッツォーニさん、アレクサンドル・リアブコさん、二山治雄さんは全員、私に「バレエってすごい。バレエダンサーってすごい」と強い感動と衝撃を与えてくれた方達です。

 彼らの踊りからいつもインスピレーションをいただいていて、私のバレエ沼人生を前へ前へと推し進めてくれていると行っても過言ではありません。こんな錚々たるダンサーの皆様とご一緒させていただけることに感動しています。

 今回、座席数がたったの288席という劇場を選んだのは、彼らの凄さと芸術性をお客様の近くで体感してもらいたいからなんです。私が彼らからいただいている感動を、全力で皆様にお届けしたいと思っています。

井上ユミコ(いのうえ・ゆみこ)

写真家。慶應義塾大学総合政策学部卒業。在学中より写真の世界に入り、その後広告、ファッションを中心に活躍。美しいバレエダンサーに魅了され、ライフワークとしてダンサーの写真を撮り続けている。その活動は写真の枠を超え、メディアやバレエ公演を主宰・運営するなど多岐に渡っている。『EOL』ではクリエイティヴ・ディレクションを手がける。

至高の芸術(バレエ)『EOL』

2025年5月23日 15時開演
    5月24日 13時開演
    5月25日 13時開演
彩の国さいたま芸術劇場小ホール
(出演)
シルヴィア・アッツォーニ(ハンブルク・バレエ団プリンシパル)
アレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ団プリンシパル)
二山治雄
(演奏)
ミハウ・ヤウク(ピアノ)
(振付)
クリスティーナ・パウリン
ティアゴ・ボルディン
マーク・ジュベテ
(クリエイティヴ・ディレクション)
井上ユミコ(ALEXANDRE)
(衣裳)
CFCL

お問い合わせ EOLチケットセンター 03-6364-4185(10時~19時・年中無休)
https://www.eol-japan.com/

2025.02.10(月)
文=山下シオン
写真=佐藤 亘