また、なかには、「子どもを寝かせた後、気がついたらソファーで寝落ちしちゃっているんですよね〜」と、さながら武勇伝のように語る親御さんもいます。しかし、それは自慢できることでも笑いごとでもありません。そのような状態がずっと続くのは、心にも体にも決していいことではありません。

 どちらかというと女性に多い傾向がありますが、日本人は、子どものことに必死になりすぎてしまうように感じます。子どものことばかり考えていて、自分を置き去りにしてしまうのです。それが当たり前と思い込んでいるからかもしれませんが、知らず知らずのうちにストレスをため込んでいくのです。

 少しきつい言い方かもしれませんが、そのような子育てでは誰も幸せになりません。

 

きっちりしすぎないほうがいい

 子育てで無理をしすぎないためにも、子育ての軸を持つことが大変効果的です。必死になるべきポイントを3つだけ(寝る時刻と起きる時刻を厳守/死なない、死なせない/ご家庭独自のルール)にすると、判断に悩んだり迷ったりすることが激減するでしょう。

 なお、軸に関することは、基本、徹底してほしいのですが、「100%死守しろ」とまでは言いません。年末にNHK紅白歌合戦を見るために夜更かしをするとか、レジャーランドで夜のパレードを見るなど、軸1を守れないことが年に数回あったとしても、それは許容範囲です。

 ただし、寝る時刻や起きる時刻のずれは1時間程度にとどめておくようにしましょう。そして、「昨日は少し夜更かししたから、今日は絶対に早く寝ようね」と、翌日からはいつものリズムに戻すことを徹底してください。そこさえ守れるなら、神経質になりすぎる必要はありません。

 子育ては長期戦です。頑張りすぎて心と体に余裕をなくし、イライラ、ピリピリすると子どももパートナーもつらい思いをします。もちろん、一番つらいのは本人です。

 きっちりしすぎなくて大丈夫です。子育てはゆるーくやりましょう。

「子育ての価値観は昔の日本のまま」なのに“共働きが前提”…子育て中のお母さんばかりが「ハードモード」な納得理由【解決策も紹介】〉へ続く

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2024.10.02(水)
文=成田奈緒子,上岡勇二