アメリカ生まれ、今話題の健康食

 19世紀後半、アメリカ合衆国で、全粒の穀類をオーブンで焼いて砕いた健康食品として開発されたグラノーラ。燕麦の押し麦を主に、ライ麦、玄米などの穀類加工品を油脂と共にオーブンで香ばしく焼き上げたもので、ナッツやドライフルーツを混ぜたり、蜂蜜などの甘い味をつけたり、様々な種類のものが販売されています。牛乳やヨーグルトをかけて朝食にしたり、おやつとしてそのまま食べたり。グラノーラを固めたグラノーラバーも、おやつや携帯食として人気があります。

 ここ数年話題になっているグラノーラの専門店が、関西にも誕生。注目を集めています。

左から、マサラチャイ、ノンオイル・ノンシュガー、コーヒー。いろいろ試したくなるラインアップです。

 その1店が、神戸・元町の山手にある『エルフ グラノーラ』。近くには、織田信長が荒木村重に命じて築かせたといわれている花隈城本丸跡の公園や兵庫県庁もあり、お散歩気分で訪れるのにぴったりです。

左:地下鉄県庁前駅から徒歩で約3分というアクセスも便利。
右:手書きの看板が目印です。
店主の若林さん。毎日丁寧にグラノーラを手作りしています。

 2013年7月にオープンしたお店は、メインの通りから路地を入った所。小さな看板ときれいなブルーの外観が目印です。店内に並ぶのは、店主・若林智子さんが作る10種類近いグラノーラ。

「日本の主食であるお米の粉、玄米粉を使用しています。添加物、保存料は極力使わない」。料理教室のアシスタントや講師をしていて、マクロビオティックに興味を持って学んだ若林さん。お店を始める5、6年前から自分用にグラノーラを作るようになって、「日本人の口に合うように」と色々工夫を重ねた結果、玄米粉にいきついたと言います。「母親の実家から玄米を送ってもらい、ここで自家製粉しています。手間はかかるけれど、ひきたてを使えるし、価格も抑えられるから」とにっこり。パティシエが作り、お菓子っぽいイメージが強いグラノーラ。でも、若林さんが作るものは、玄米粉が入っているせいなのか、年配の方が毎週買いに来てくれるのだそう。

2種類の黒ごまを使った黒ごまバナナ。

 また、砂糖についても「日本人は昔から食べてきたサトウキビの旨味を感じやすい」と、マクロビオティックでよく使われる甜菜糖ではなく、未製糖の砂糖・ローシュガーを主に使っています。

 その他にも、エキストラバージン・オリーブオイルや有機豆乳などを使用。燕麦はオーガニック、ナッツやドライフルーツも上質なものを選んでいます。「でも、材料にこだわりすぎると価格が高くなってしまう。毎日食べてほしいから、買いやすい値段にしなくてはね」。

燕麦を使ったお菓子も発見!

「グラノーラで一番大切なのは食感」と若林さん。カリカリ、コリコリ、ガリガリ。しっかりその食感を楽しみながら味わいたい。オーブンで焼いた燕麦のカリコリした歯触りで、食べているうちにどんどん元気になる気がします。

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2014.04.13(日)
文・撮影=そおだよおこ