「ファンイベントをしたらたった3人。地獄の空気でしたよ(笑)」
――HKT48を脱退後は料理の専門学校に入ったそうですが、何か今後の方向性を考えていたのでしょうか?
ゆうこす これから何をしたいのか特に考えてなかったし、料理がめっちゃ好きかというとわからないけど。ただ、北九州では、女性は料理が作れないといけないし、お嫁さんになったら相手のお母さんからレシピとか聞くとか、ちゃんと基礎は作っておかないといけないような雰囲気もあって。自分も当時はそれが当たり前だと思っていたのでなんとなく料理の専門学校に通った感じですね。
でも在学中に街を歩いていたら、芸能事務所にスカウトされたんです。脱退のデマを払拭しよう、お料理アイドルとして売りだそうと色々言われて事務所に入ってみたら「まずはグラビアDVDだよね」って。まぁ、よくある話なんですけど…結局仕事らしい仕事もないままでしたね。
――ファンイベントも行なったそうですが、こちらはいかがでしたか?
ゆうこす HKT48を辞めた当初はTwitter(現・X)のフォロワー数が2万人くらいいたのかな。“元HKT48”の看板もまだあったし、一人2000円のチケットで100人来てくれたら20万だ! それを月に1回できたらめっちゃいいぞ! と思って開催して、はじめはお客さんも来てくれたんです。でも2回目に来る人がいなくて、お客さんもだんだん減っていって、あるとき100人規模の会場にお客さん3人しかこない日があったんです…! おじさん3人と私、もうね、地獄の空気でしたよ(笑)。人気のないガールズバーみたいな、想像しただけでもキツいですよね。
とにかく気まずいし、お客さんも「前はアイドルでキラキラしていたのに、全然売れてないじゃん!」って思っただろうし。友達に受付をやってもらいましたが、「席が余り過ぎてるから、4人目で座ってくれる?」って友達にお願いして。まぁ、座ったところとて、なんですけど。
2024.08.26(月)
文=松永 怜
撮影=釜谷洋史