「役者人生で経験したことのないような恐怖を感じた」と小池栄子も絶賛

 キャリアが30年を超える豊川悦司は演じた役も幅広く、多くの恋愛映画やドラマで女性ファンをキュンキュンさせたこともあれば、コミカルな役で意外な軽みを見せることもあり、また『必死剣 鳥刺し』や『仕掛人・藤枝梅安』などの時代劇映画では、渋いアクションを見せたこともあります。

 過去には悪役ももちろん演じてきているし、映画『後妻業の女』でも結婚相談所長役で、高齢男性を騙していました。

 が、ここまで非人間的な印象の悪役はほぼなかったように思います。小池栄子も完成報告会で「(ハリソン山中を演じる豊川には)役者人生で経験したことのないような恐怖を感じた」と話していました(なぜそう感じるのかはぜひ本編で確認を)。

 ハリソンの恐ろしさを感じる場面はいくつもありますが、個人的にはリリー・フランキーと対峙する場面が最高でした。

 CMで中条あやみと共演し、とぼけた父親を演じている人と同一人物とは思えません。そして、なのに、やっぱりカッコイイ……!

 20代のころの彼も本当に美形でしたが(今もファン多いですよね)、筆者はここ10年くらいの豊川悦司がより好みです。

 ここへきて新たな魅力の引き出しを増やした感のある豊川悦司を、ぜひ見逃さないでください。

Netflixシリーズ「地面師たち」

Netflixにて独占配信中
©新庄耕/集英社
https://www.netflix.com/jp/title/81574118

2024.08.25(日)
文=斎藤真知子