毎日毎日、暑すぎる夏。強い日差しを目の前にすると、「髪は下ろしたくないから、一つ結びでいっか」と、ヘアセットはおざなりになりがち。そんな、外に出る準備すら億劫になってしまう時には、「帽子」がオススメです。
帽子は、もちろん「日除け」としての効果もありますが、使いこなせば「サッと被ってヘアセット要らず」な上、「顔周りの印象をガラッと変える」こともでき、更に「スタイルも良く見える」などなど、良いことだらけのチートアイテムです。
しかし、その反面、帽子は「似合ったことがない」と言い切るほど苦手意識を持つ人が少なくないのも事実。
そこで今回は、夏の帽子を上手に似合わせるコツを、美容師目線でお教えします。
️ヘアスタイルとの「合わせ」で似合うようになる
まず、帽子が「似合う人」と「似合わない人」には、決定的な違いがあります。それは、帽子の「被り方」です。
「帽子が似合う」というのは、帽子とヘアスタイルを合わせた「全体のシルエット」が好印象に見えている状態のことを指します。つまり、どんな帽子を選ぶかというより、帽子とヘアスタイルとの「合わせ」がとても重要なのです。
この「合わせ」がうまくいくかどうかは、被ると髪がはみ出して見える①「前髪」②「耳周り」③「襟足」の3点を、いかに処理するかにかかっています。
①「前髪」が有るか無いかで、「可愛い」にも「大人っぽい」にも様変わり
まず、最初のポイントは「前髪を出す」か、「おでこを出す」かです。帽子から見える前髪のバランスによって、顔の印象は劇的に変化します。
普段のヘアスタイルでも、前髪でおでこと眉毛が隠れるほど「カジュアルで可愛い」印象になり、おでこと眉毛が出るほど「シックで大人っぽい」印象になります。
帽子を被った際も同様で、「前髪有り/無し」の具合を変えて、その帽子との相性がいい前髪の出し方を探るのがよいでしょう。
②「耳周り」で、頭のシルエットが激変する
次のポイントは、「髪を耳に掛けて出す」か、「髪を下ろして耳を隠す」かです。この「耳周り」の処理の仕方によって、「帽子を被った頭のシルエット」が大きく変化します。髪を「耳に掛ける」とスッキリした印象になり、「隠す」とカジュアルな印象になります。
帽子に慣れていない方は、まず髪を「耳に掛ける」ことから始めることをオススメします。耳に掛けると、帽子を被った時のシルエットがヘアスタイルの影響を受けにくく、バランスが取りやすくなるからです。寝グセを隠したい時などにも、耳に掛けるだけで寝グセが目立たなくなります。
更に、髪を耳にどれくらい掛けるかでもシルエットは変わります。下ろした髪の「全部を耳に掛ける」だけでなく、「半分だけ掛ける」「少し後れ毛を出す」と、試しながら被るのがオススメです。
一方で、耳を隠すように「髪を下ろす」と、元のヘアスタイルに帽子の形が合わさったシルエットになり、個性的な印象になりやすいです。その反面、バランスを取る難易度が上がる上に、下ろした髪が上手にスタイリングされていないと野暮ったくなったり、ボサボサして見えやすくなったりする一面もあります。このことから、髪を耳に掛けない被り方は中〜上級者向きと言えるでしょう。
2024.07.07(日)
文・イラスト=操作イトウ