この記事の連載
- マカオ旅【前篇】
- マカオ旅【後篇】
美味しさと趣を楽しむ極上の料理たち
リスボアというキーワードを聞いて、マカオ好きや食通の人なら、すぐさま美食を思い浮かべるかもしれない。ミシュラン星付きや世界のグランメゾンのアジア拠点を擁するリスボアのこと、ここでも期待は大!
カジュアルなカフェからファイダイニングまで、リゾート内の食スポットは16軒。迷ったら、訪れるべきは異国情緒を味わえる3つのファインダイニングだ。
●パレス・ガーデン
甘美な夢の世界に迷い込んだような気分を味わえる広東料理レストラン。入口から続く廊下の壁を彩るのは、中国の歴史ロマン小説「紅楼夢」を模した装飾。メインダイニングに入れば、壁一面に中国の伝統的な両面刺繍を施した美しい空間に、壮麗な中国宮廷の世界へと誘いこまれる。
独特な雰囲気もさることながら、料理もただ豪華なだけにあらず。限られた料理人だけが継承する技、「太史菜」の腕を持つ莊嘉輝シェフが生み出す料理は、複雑なプロセスを経て、惜しみなく手間をかけて完成する究極の逸品だ。
透明なスープの滋味深さ、繊細な食感に昇華した野菜や肉。一口食べれば、この一皿を目的にマカオを目指す美食家の気持ちが分かるはず。
●メサ by ホセ・アヴィレス
広東料理もあればポルトガル料理も本場を誇るマカオ。ポルトガルとの関係を長く築いた街中には、多くのポルトガル料理店がある。だが、ここは、他とは一線を画す。
ポルトガル・リスボンの2つ星シェフ、ホセ・アヴィレス氏とコラボレーションした料理は独創的にして、ポルトガル風情たっぷり。
鳥かごやアズレージョをモチーフにした古今東西融合のインテリアは、マカオらしさがいっぱい。歴史背景や世界遺産をモチーフにしたカクテルは、見た目の美しさだけでなく、思わずそのストーリーに引き込まれてしまう。
●ドン・アルフォンソ1890
そして、知る人ぞ知るのが、こちら。南イタリアにある同名の老舗店が展開するアジア唯一のファインダイニングだ。アルフォンソ家が受け継ぐ味を、ヴェルサーチのグラマラスなインテリアや食器とともに味わえる。
メインディッシュとデザートの間には、イタリア流に、ワゴンでチーズをサーブ。フルコースなら、ゆっくり味わって約4時間。ボリューム満点な料理を楽しむべく、しっかりお腹を空かせて訪ねたい。
Grand Lisboa Palace Resort Macau
所在地 Rua do Tiro, Cotai, Macau
電話番号 (853) 8881 8000
料金(1室) グランド・リスボア・パレス・マカオ 1,279マカオパタカ~
ザ・カールラガーフェルド・マカオ 1,919マカオパタカ~
ラッツォ・ヴェルサーチェ・マカオ 1,919マカオパタカ~
(2024年5月現在)
https://www.grandlisboapalace.com/en
2024.05.24(金)
文=芹澤和美
写真=Lina Shigemitsu