東南アジア随一のエンターテインメントシティ、マカオ。趣向を凝らしたテーマパークのようなホテルがどんどん出現する中、2023年9月8日(金)に「W(ダブリュー) マカオ スタジオ・シティ」が開業しました。1950年代ハリウッド映画の華やかさをイメージしたという全館は、超モダンでスタイリッシュ。建築やデザインの素晴らしさのみならず、快適さを追求する細やかなアジア人向けの配慮が満載。

 そんな豪華なホテルステイに加えて、中国、ポルトガルなどの文化がミックスしたマカオ料理のレストランを案内します。

※1マカオパカタ(MOP)= 18.4円(2023年11月21日現在)


幾何学模様とシャンパンゴールドに輝く夢の世界へ

 W マカオ スタジオ・シティをひと言で言うなら、建築好きにはたまらないモダン&アーバンシックデザイン、そして、ハリウッド映画全盛期の世界観を居ながらにして楽しめるホテルです。

 建築を手がけたのは、東京の新国立競技場の近未来的フォルムデザインで話題となった人気建築家ザハ・ハディト氏の事務所。Wホテルはマリオット・インターナショナルのラグジュアリーホテルブランドのひとつで、音楽、デザイン、ファッションを心から楽しむ人々のためのブランドですが、ホテルに実際泊まってみると、ザハ・ハディト・アーキテクトの感性がWブランドと実にフィットし、「なるほど……」と頷けるWらしくワクワクさせる要素に満ちていました。

 他ホテルが伝統的なラグジュアリーを追求しているのとは対照的に、次世代のトラベラーを意識し、より革新的でマカオらしさを追求する唯一無二の存在感を放っています。

 まずは、総ミラー張り幾何学的デザインのエントランスに驚愕。さらに玄関の自動ドアが開きロビーラウンジエリアに一歩入り込んで再び目を奪われました。深海の世界へ迷い込んだかのような光り輝く空間が……。フロントには青と白の波の渦巻きが描かれ、右側のロビーラウンジに目をやると星屑のようなバープルとシルバーのライティングがきらきらと光っています。

 1階ロビー階のカフェ「リビングルーム」は映画スタジオをイメージしたゴールドと黒のゴージャスな空間です。週末はDJが入って賑やかに。リビングルームの奥には、テキーラよりもスモーキーなメキシコ生まれの蒸留酒「メスカル」を多く扱うカクテルバーも併設されています。

 チェックインを終えてエレベーターに入ると、大勢のパパラッチがカメラを向けている白黒写真が目に飛び込みます。そこからすでに50年代ハリウッドの世界が演出されていました。

 客室は、シャンパンゴールド、チャイナブルー、黒、白、ワインカラー、アクセントのオレンジ色が実にうまく調和されていて、モダンながらゆっくりと落ち着けるシックな色合いです。ベッドサイドに置かれた女優を照らすスポットライトなどの映画モチーフと、マカオの海洋の歴史からヒントを得たイラストなどがそこここに散りばめられ、ノスタルジーを演出しています。

 こちらは「Wミックスバー」と呼ばれるスペースで、まるで客室にバーエリアがあるような印象。オシャレなカクテルグラスで、心ゆくまでバケーションの夜を堪能できます。

 特筆すべきは浴室です。海外ホテルの浴槽は大きすぎて体がフィットしない、ということがよくあるのですが、ここの浴槽は狭すぎず広すぎず、日本人が入ってみてちょうどよいサイズ感。バスタブにはバスピローが備わり、快適に湯船に浸かれるのです。毎日用意されるバスソルトも良い香りで待ち遠しくなるはずです。

 隣接するスタジオ・シティはハリウッド世界を演出したエンターテインメント施設。W マカオのロビー階からそのまま繋がっていて、カジノやフードコート、ショッピングモールへいつでもアクセスでき、ATMも近くにあって便利です。

2023.11.24(金)
文・撮影=鈴木幸子(らきカンパニー)
協力=W マカオ スタジオ・シティ