◆安田屋製菓「ひっぱり餅詰合せ」
もっちり感がたまらない歴史ある能登名物
弁慶が能登金剛巌門の不動滝の水でつくり上げた保存食が始まりといわれる名物。
よくついた餅をあつあつのうちに水に浸し、部屋一杯に敷き詰めたゴザの上で数人の女性たちが四方八方からひっぱりあって薄く伸ばして昔からつくられていたそう。
昭和40年からひっぱり餅を製造販売する安田屋製菓では、霊峰白山の伏流水、ふくよかな食感の石川県産のかぐら米、色と艶、風味に優れた北海道十勝産のあずきなど選りすぐりの素材を用いて伝統の味を繋いでいる。
やわらかいなかにもしっかりとした歯応えのある餅生地に、甘納豆の食感と風味が合わさった「ひっぱり餅・白」、香り高い高級黒須きな粉をまとった「ひっぱり餅・きなこ」の2種類を揃える。
弁慶の逸話にも思いを巡らせながら楽しめば、味わい深さも一層増すはず。
2024.04.30(火)
文=Five Star Corporation
撮影=釜谷洋史