哲代 いりこも一緒に食べてもらわないと、もったいない。

 

―― 元気の素ですよね。先ほど脳トレもすごくやっているっておっしゃってましたけれども、私たちが本当に驚かされることのひとつは、この会話のこのテンポ感なんです。

哲代 そうですか。はい、お口チャック、チャック。

―― チャックできないんだから言わなくても大丈夫(笑)。 でも、取材のときは、こういう答えが返ってくるかなってイメージしながら色々質問をぶつけているんですけれども、いつも想定を超える言葉で返ってくるのと、スピードも早いんで、 毎回ふたりがかりでお話を聞きに行っているんです。

哲代 恥ずかしい限りです。 穴があったら入りたいでございますな。

できることもまだまだある

―― 103歳になってからは入院を3回しましたよね。

哲代 やっぱりね、年は争えませんな。

―― 3回入院したことで、それまでのように畑に通って大根を抜いたりするのが、ちょっと難しくなっちゃいましたね。

哲代 したいですがね。

―― したいという気持ちはもう全く枯れてないし、いつも「リハビリするんだ」っておっしゃってますもんね。歩行が難しくなってきても、今まで通りの暮らしをしたいという気持ちは、いつもひしひしと伝わってきます。でも、無理はしたらいけないから。哲代さんが現役で、長―く生きてくださることが私たちの願いなので。

哲代 そうでございますか。そう言っていただけて嬉しいです。

―― できなくなることが増えてきても、哲代さんは落ち込むことが全くないように見えるんですが、元気がなくなっちゃうこともありますか。

哲代 あります、あります。

―― でも、できないことが増えてきても、「できることもまだまだあるよ」っておっしゃるじゃないですか。できなくなってきたっていう変化を、哲代さんはやっぱりすごく冷静に、穏やかに受け止めておられていて。そこが、私たちもすごく勉強させていただいてるところなんですよ。

2024.04.29(月)