スコットランドで製造されるスコッチウイスキーには6大生産地が存在します。中でも50以上の蒸留所が点在する最大規模の生産地がスペイサイドと呼ばれるスペイ川沿いのエリアです。
フランスの世界的酒造メーカーであるペルノ・リカールが2020年から展開する「シークレット スペイサイド」コレクションは、同社が保有するこのスペイサイドの4つの蒸留所の中から、18年以上の熟成年数を誇るシングルモルトウイスキーを厳選した高級なシリーズとして知られています。
このたび、この「シークレット スペイサイド」コレクションにラインナップされていた銘柄のひとつ、ロングモーンがコレクションから独立。パッケージと味わいを刷新し、よりハイクラスな単独ブランドとして「ロングモーン 18年」と「ロングモーン 22年」が数量限定で新登場。2月5日(月)の発売を前にお披露目を兼ねた試飲会が行われました。
切符を切って会場に入場
会場となったのは東京駅直結のTOKYO STATION HOTELです。入口で駅員の制服に身を包んだスタッフに招待状に同封されていた切符を鋏で切ってもらったら、いざ入場。実はこの演出には大きな意味があったのです。
ロングモーンは1894年、ウイスキーブームの最中に起業家ジョン・ダフによって設立。革新的な考えを持っていたジョンは、蒸留所の敷地内に専用の鉄道を引き込み、原料の調達や製品の輸出などを行っていました。鉄道はグレート・ノース・オブ・スコットランド鉄道に繋げていましたが、1950年に鉄道が廃止。その後は1979年まで敷地内で走り続け、現在は駅舎と実際に使用された蒸気機関車が蒸留所内に展示されています。
鉄道がロゴマークのウイスキー
つまり鉄道はブランドの発展に大きく貢献したロングモーンを象徴するアイコニックな存在であり、現在のブランドロゴのモチーフにもなっているのです。そんなロングモーンと鉄道の繋がりを強く印象づけたのが、会場入口を改札に見立てた演出なのでした。
2024.02.12(月)
文・写真=石川博也