食べれば食べるほど環境にいい!? “パタ味噌”も
会場では数量限定でオーガニック玄米味噌も販売されました。味噌には、東さんが経営する千葉県の畑でリジェネラティブ・オーガニック農法によって栽培された大豆を使用しています。
パタゴニア プロビジョンズが推進するリジェネラティブ・オーガニック農法とは、パタゴニアプロビジョンズが推進している認証制度で、農地の土壌を健康に保つだけでなく、修復・改善しながら自然環境の回復に繋げる農法です。東さんは、ソーラーシェアリングのもと、畑を耕さない不耕起栽培で育てているそう。
「COP21のとき、フランスの農水大臣がこう言ったんです。毎年大気中に存在する炭素量の0.4%を土に還元するだけで、人間が毎年出すCO2やメタン、フロンガスを相殺できる。だからこれからは自然エネルギーだけでなく、土地のことも考えていこうと。機械を使うよりも、植物のちからを借りて土に炭素固定するのが実は低エネルギーで合理的なんです」(東さん)
東さんの取り組みで興味深いのは、利益を株主に1円も配当しないと決めていることです。学童を運営したり、停電の時に電気を管理したり、古民家を再生するなど、利益は村作りに還元する仕組みになっています。
「農業をやることで、そこに住む人も元気になったらいいですよね。環境問題ってとかく我慢しなきゃみたいなイメージがありますが、そんなことはなくて。地球にいいことをしたら自分たちもハッピーになるのがいいし、そういう活動だからこそ広がっていくものなのかなと思っています」(東さん)
発酵デパートメント
所在地 世田谷区代田2-36-12〜15 下北沢・BONUS TRACK内
https://hakko-department.com/
小倉ヒラク(発酵デザイナー/発酵デパートメントCEO)
「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨県甲州市を拠点にワークショップ、イベント、展覧会など様々なプロジェクトを開催。2020年に下北沢に発酵専門店『発酵デパートメント』をオープン。
東 光弘(市民エネルギーちば/TERRA 各代表取締役)
20年ほど有機農産物・エコ雑貨の流通を通じて環境問題の普及に取組み、2011年より自然エネルギー普及活動に専念。現在は、ソーラーシェアリングを活用しての自社発電所事業(約6.1MW)および、ソーラーシェアリングに特化したEPC事業、ソーラーシェアリング専用部品開発、講演活動、環境全般に関わるプロデュースを務める。
近藤勝宏(パタゴニア プロビジョンズ・ディレクター)
1995年パタゴニア日本支社に入社。マーケティング部門のマネージャー等を経て、2016年、パタゴニアの食品事業「パタゴニア プロビジョンズ」の日本市場の責任者に就任。同年、同事業を日本市場で立ち上げ、いまに至る。日頃からサーフィンやスノーボードなどを愛好し自然と親しみながら、自然に則した農法による米作りや農業に挑戦し、より環境負荷の少ないライフスタイルを探求している。
2024.02.03(土)
文=平野美紀子
写真=鈴木七絵