この記事の連載

今では貴重な金属活字の型である「母型」

 金属活字は、その活字一つひとつにそれぞれの型が必要となります。26種類からなるアルファベットとは異なり、日本には膨大な種類の「漢字」が存在します。常用漢字ですら2,000字を超える量。活字も作る佐々木活字店では部首の型を数多く保管しています。

 また、イラストのような母型も。花をかたどったものや星をかたどったものなど、アイコンのような母型は眺めているだけでもワクワクします。

「この母型はうちの宝物ですね。職人さんでないと作れない。昔は母型の元となる種字は職人さんが手で彫って作っていたんですよ」(佐々木さん)

「今でも当時の印刷文化を体現する佐々木活字店さんを訪れて、膨大な量の母型や活字を実際に目にすることで、こんなにも多くの人や技術が関わって1冊の本が出来上がっていたということに驚きました。

母型も活字も美しく、アーティファクトのよう。この活字を使った印刷物を見てみたいですね」(影山さん)

後篇「佐々木活字店」を訪ねて~活版印刷で名刺づくり
影山優佳さんのアザーカットを含めた写真をすべて見る

取材協力 佐々木活字店

http://sasaki-katsuji.com/

影山優佳(かげやま・ゆうか)

2001年生まれ、東京都出身。23年7月にアイドルグループ「日向坂46」を卒業し、俳優・タレントとして多方面に活躍中。21年には『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』で映画初出演。サッカー通としても知られ、「ABEMAスポーツタイム」のスペシャルサポーターも務める。ヒロイン役を務めるドラマ「ハコビヤ」が1月12日(金)からスタート。

『ハコビヤ』

とある街で洋食屋を営む白鳥剣(田辺誠一)。彼にはもう一つの顔がある。それは「運び屋」としての顔である。「運び屋」と言っても、ハリウッド映画に出てくるような「運び屋」ではない。犯罪行為にならなければ、「もの」でも「ひと」でもなんでも正確に運ぶ。それがこの運び屋のモットーである。届け先がわからないモノや、宅配便では決して届けられない場所への運搬など、“どうしても自分では届けられないもの”を運ぶ。その依頼の裏には、この運び屋に頼まなければならない、それぞれの「事情」があり、その「事情」をこの男なりに汲み取ったうえで「運び」を行うのだ。全ての「運び」が終わった時、依頼人、届け先、そしてそこにかかわる人の心に少し笑顔ができる。「もの」や「ひと」を運ぶことによって生まれる、笑いや、悲しみ、切なさ、そして温かさを伝える今までなかった新たなヒューマンドラマ。
テレビ東京 テレビ大阪 ほか/2024年1月12日スタート 毎週金曜 深夜24:52~25:23
出演:田辺誠一 影山優佳
https://www.tv-tokyo.co.jp/hakobiya/

次の話を読む「時代が進んでも、活版印刷が 愛される理由がわかった気がする」 【影山優佳と日本の魅力を巡る旅へ】

Column

NIPPON GRAVITY

歴史や文化、そこで生活していきた人たちの息づかいが感じられる場所、その土地の風土が感じられる場所。魅力のある場所には、人を惹きつける“重力(GRAVITY)”があります。俳優の影山優佳さんが、そんな日本全国の思わず引き寄せられるスポットへ足を運び、その驚きや感動をレポートします。

2024.01.19(金)
文=CREA編集部
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=佐藤友梨(エムズアップ)
スタイリスト=加藤なお(ALCATROCK)