かわいい「さる最中」はあっさりした甘さ

 どらやきと同じ、小豆甘納豆を水だけで炊き上げた、あっさり味の餡で作った大福もあります。定番は3種類。

 「塩豆大福」は、白玉粉を使った柔らかい生地で包んだ餡の甘さと塩豆の塩っぱさのバランスが絶妙。

 同じく白玉粉を使った生地の「抹茶大福」は、口の中に抹茶の香りが広がります。

 「よもぎ大福」は、むっちりした餅生地。たっぷり小豆甘納豆餡が入っています。

 大福は、季節限定品もいろいろ工夫されていて、取材に伺った時には、栗が入った「栗大福」や、中にもまわりにも落花生をふんだんに使用した「落花生大福」がありました。他にも、一番人気の「いちご大福」、お彼岸の「甘納豆おはぎ」、春の「桜餅」や「柏餅」など、甘納豆屋さんですが、季節の和菓子が登場します。

 そして、庚申さんにちなんで、愛らしい「さる最中」も、もちろん小豆甘納豆餡です。

「豆の味を楽しんでもらうため、砂糖の量を半分にして作っている甘納豆なんです。コーヒーや紅茶にもよく合います。食物繊維も豊富だから、小さな子供や若い方、もちろん年配の方にもっと日常的に食べてほしい」

 日本伝統の和菓子のひとつである甘納豆を作り続け、その魅力を伝える工夫を凝らしているお店。いつまでも、あり続けてほしいと思います。

青山甘納豆

所在地 大阪市天王寺区北河堀町9-22
電話番号 06-6771-2051
https://aoyama-amanatto.wixsite.com/azukichan

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2024.01.14(日)
文・撮影=そおだよおこ