まあ、もし私が将来寝たきりになったら、元気づけの方法はかなり間違えてはいるが、デイケアとしてぴーちゃんを雇おうとは思っている。

 

将来の夢は…

 そんなファーザーテレサと言ってもいいくらい優しいぴーちゃんだが、ぴーちゃんには友達がいない。確かに、私も芸能人の友達は数えるほどしかいないが、一緒にゴルフに行ったり食事に行ったりするスタッフはけっこういるし、熊本にも学生時代の友達がそれなりにいる。でもぴーちゃんには、芸能人もスタッフも学生時代の友達も多分いない。ひょっとしたら私だけかもしれない。“牛じゃない 豚じゃない 猿じゃない 馬じゃない 猫じゃない 犬じゃない 鳥じゃない 魚じゃない はじめてできたよ 人間の友達ー♪(相川京・作詞『人間の友達』より)”って歌はぴーちゃんが作ったんじゃないかと思っているくらいだ。それくらい友達がいない。

 ぴーちゃんが脱腸で10日近く入院した時に、見舞いに行った芸能人は、私とパペットマペットだけだったし。かといって普段からパペットマペットと仲がいいという話は一度も聞いたことがないし、あの時の見舞いもたまたま来ただけだろう。田中さんは友達も趣味も多いから心配ないが、ぴーちゃんは友達もいないし趣味もない。だから私は友達でいてあげないといけないのだ。

 将来ぴーちゃんも私も仕事がほとんどなくなり、暇になったら、ゴルフやクレー射撃を教えてあげたり、ほとんど旅行にも行ったことないぴーちゃんを海外旅行にでも連れ出し、私が行ったことのあるオススメの観光名所や美術館やスポーツ観戦に連れていってあげようかな。あと、美味しいお店に案内して、カジノでの遊び方も教えてあげよう。

 そしてぴーちゃんが認知症になり、施設に入ったら、たまに様子でも見に行ってあげようかな。たくさん友達がいるんなら、私のことを忘れていても仕方がないが、全然友達いないんだから、私の存在は忘れないだろう。忘れていたら思いっきり頭をひっぱたいて思い出させてやろう。ん? ゴルフを教えてあげる? 旅行に連れていってあげる? 様子を見に行ってあげる? 完全に上から目線。うん、やっぱりぴーちゃんのこともナメてるんだと思う。私、爆笑問題のことナメてます!

全国各地のライブ会場に出没、家の前まで付いてくる、彼女かのような手紙を郵便受けに…上田晋也が体感した“熱狂的お笑いファン”のリアル〉へ続く

赤面 一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと

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2023.12.12(火)
著者=上田晋也