印象通りではあるのだが、意外な一面として、かなり優しい人でもある。ああ見えて実は一番優しい人なのかもしれない。

 熊本大震災があった時、一番に「実家どう?」とメールをくれたのもぴーちゃんだったし、連日「家族は大丈夫?」とか「安全なところに避難してるの?」とか「家族や親戚や友達のメンタルも心配だからケアしてください」とか、しまいには「本州の自治体と連携して、避難している住民を本州に移動させたほうがいいんじゃないか?」と、俺に言って解決できるレベルの話じゃねーだろ、というようなメールも、およそ1週間毎日送ってくれていた。

 私がコロナにかかった時もそうだった。毎日「熱は何度ありますか?」とか「味覚嗅覚はどうですか?」とか「家族には感染ってませんか?」などなど、保健所より頻繁にメールをくれていた。(その質問に答えたからって対処してくれるわけじゃねーだろ)とは思いつつも、その都度その状態を伝えると、ぴーちゃんはテレビやネットなどで見聞きした情報を逐一送信してくれた。

 ただ、それだけならありがたいのだが、メールには必ずネットから拾ってきたナース姿のエロ画像も添付されていた。(病人に何をあげれば元気になるかなー?………うん、そうだ! エロ画像!)完全に中学生の発想。57歳(その当時)のオッサンが52歳(その当時)のオッサンにエロ画像を送ってお見舞いと称している。おそらくだが、一般社会ではそんなことはないんじゃないだろうか?

 57歳といえば、一般の会社なら定年に向けて管理職を解かれ始めるくらいの年齢だ。部長クラスの人間がコロナにかかったとして、常務取締役がお見舞いにエロ画像を送ったりするだろうか? 一般社会ではまったく適応できないタイプである。まあ、かくいう私も「もっと熟女のナースがいい」とか「もっとセクシーなポーズの写真にしてくれ」などのリクエストを先輩に出したりしていたので、一般の会社では務まらないのだろうが。

2023.12.12(火)
著者=上田晋也