名門・麻布中学を受験することになったきっかけ
――お子さんとの日々で反省することが多い?
赤平 息子は人の言ったことを何度も忘れるんです。それは仕方ないと理解しつつも、強く叱ってしまったことがあって。「なんで忘れるの?」と聞いたら、「日々反省することが多すぎて心が持たないから」と言われました。「怒られの天才」と言われるほどですから、発達障害の子はとにかく日々、普通の人より怒られて悲しい思いをしているわけです。だから、忘れることで自己防衛をして生きているんだと初めて気づいて、息子に謝りました。
――そんな中で、男子御三家として知られる名門・麻布中学に合格されました。受験のきっかけは?
赤平 入試の2か月前、突然息子から「麻布中学を受けてみたい」と言ってきたんです。もともとサポートの体制の薄い公立に入れる気はなかったのですが、かといって進学塾でも受け入れてもらえず、どうしようかと考えていました。
実は小3の時、息子を見てもらった当時の麹町中学校の工藤勇一校長(現・横浜創英中学校・高等学校校長)から、「お子さんは麻布中学が合うのでは」とアドバイスをもらっていたんです。その際、すぐに麻布の過去問も購入しましたが、あまりにレベルが高く、本は閉じたままになっていたのですが……。
撮影=山元茂樹/文藝春秋
〈「たった2か月で合格したわけではない」“発達障害で高IQ”の息子が名門・麻布中に入学…元テレ東アナが我が子と歩んだ受験までの道のり〉へ続く
2023.12.03(日)
文=小泉なつみ