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個性豊かな共演者と数々の仕掛けに注目を

――今回は小池修一郎先生の作・演出とドーヴ・アチアさんの音楽というカップリングも話題です。『1789 -バスティーユの恋人たち-』以来だと思いますが、このコンビの魅力はどこにあるのでしょうか。

 『1789 -バスティーユの恋人たち-』とはまったく印象が違うと思います。あちらの作品はフランス革命という、ものすごく重厚なテーマがあり、そこに生まれる平民と貴族の軋轢や市民の抵抗というものが“ロック”な曲調で描かれています。

 でも今回の音楽はとてもクラシカルでありつつ、ポップスに近い雰囲気です。『エリザベート』や『モーツァルト!』の楽曲ともまったく違っていますが、だからこそとても華やかでキャッチ―。複雑ではない分、とても耳に残りやすいんです。

 そこに小池先生の歌詞が入ることで、さらにキャッチ―さが増していると思います。すごく伝わりやすく、親しみやすいナンバーが多いのでミュージカル初心者の方でも楽しめる世界観になっていると思います。

――『1789 -バスティーユの恋人たち-』との楽曲の違いはほかにもありますか?

 ミュージカルはセリフを歌にすることが多いですが、『LUPIN』ではそのときの状況や心情を歌詞にして音楽に乗せています。なので、すごくメロディアスにセリフっぽく崩して歌うというよりは、メロディにパッと乗せて歌ったほうが印象に残るのかなと思います。

――現時点でのお稽古の手応えはどんな感じでしょうか?

 順調だと思います。面白いものが出来上がっているという感覚です。すごく振り切っていて、帝劇ではなかなか見ない感じの作品になるのではないかなと思います。

 最近は“マンガ原作”の作品が帝劇でも上演されるようになったり、ラインナップが多様になっているのですが、『LUPIN』もとても話題になる作品だと思います。今後の帝劇にさらにご注目下さい!(笑)

――では、読者の方にこの作品の見どころを教えてください!

 ミュージカルを観たことない方にも親しみやすく、分かりやすい作品だと思いますので是非、多くの方にご観劇いただきたいです。ルパンがやっていることは“盗み”ですし、悪いことなのですが、触れ合っている人物たちにちゃんと“愛”を残していくというか、彼の生き様を素敵に描いている作品でもあるんです。

 また演じる方々も個性豊かな方ばかりで、まさに“初演にしてオールスター”という豪華さも見どころのはず。あと、まだ話せませんが、いろんな仕掛けも見どころだと思います! もう本当に一幕ラストとかすごいんですよ!!(笑)小池修一郎先生の、“作品を心に残す”という技術や発想に改めて感動しているところなので、それも皆様に味わっていただきたいと思います!

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古川雄大(ふるかわ・ゆうた)

1987年7月9日生まれ、長野県出身。2007年に俳優デビュー。2012年にオーディションを経て『エリザベート』のルドルフ役で初めて帝国劇場に出演を果たす。その後は『ロミオ&ジュリエット』(2013年、17年、19年)、『黒執事』(2015年、16年、17年)で人気作の主演を務め、2018年に『モーツァルト!』で帝劇初主演。同年、今後さらなる活躍が期待される若手に贈られる第9回岩谷時子賞奨励賞を、2019年には『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『ロミオ&ジュリエット』での演技が評価を受けて第44回菊田一夫演劇賞演劇賞を受賞。2019年からは本人が目標としていたミュージカル『エリザベート』にてトート役を務める。また、ドラマ『はやぶさ消防団』(EX)『恋と弾丸』(MBS)映画『モエカレはオレンジ色』など話題作にも出演。今回の『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』で帝劇単独初主演を果たす。

ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』

<東京>2023年11月9日(木)~11月28日(火)
<名古屋>2023年12月7日(木)~20日(水) 御園座
<大阪>2023年12月29日(金)~2024年1月10日(水) 梅田芸術劇場メインホール
<福岡>2024年1月22日(月)~28日(日) 博多座
<長野>2024年2月8日(木)~11日(日) ホクト文化ホール 大ホール
https://www.tohostage.com/lupin

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2023.11.08(水)
文=前田美保
写真=深野未季
ヘアメイク=佐鳥麻子
スタイリスト=小林伸崇