平成31年3月29日に国土交通省から「釣り文化振興モデル港」に指定された熱海港。太平洋に面した堤防は「熱海港海釣り施設」という有料の釣り施設になっており、黒潮が流れ込んでくるおかげで一年中豊富な魚種が釣れる。

楽園のような釣り場

 水温が高く水深があるため、厳冬期でも大型のカワハギや根魚、ハタ類などさまざまな魚種を対象にした釣りを楽しめるのも大きな特徴だ。私も関東の釣り場が低水温で釣果が絶望的になったタイミングで逃げ込むように利用させてもらっている。

 そんな熱海港海釣り施設だが、釣り文化振興モデル港に指定されただけあって、初心者へのサービスが手厚い。サビキ専用タックルのレンタルだけでなく、釣り教室まで開催しており、魚が釣れなくて初回で釣りに飽きてしまう方を生み出すまいとする姿勢が感じられる。

 また、釣り施設には珍しく、釣った魚を料理してくれるお店の紹介まであり、釣行後のアフターサービスも充実している。「魚は捌けないけど釣った魚を食べてみたい」「普段持ち帰らないような魚を食べてみたい」という思いを叶えてくれるありがたいサービスだ。

 施設のサイトを覗くと「自給自足」「自分のご飯は自分で釣る」といった釣り師の狩猟本能を駆り立てる言葉も見られる。そこで今回は、提携店による料理サービスを利用してお魚ランチを食べるべく、食材を自力で調達することにした。

 果たして豪華地魚定食を食べることはできるのか? ランチをかけた自給自足釣行をレポートする。

 

まず釣れた魚は……

 レンタルのサビキタックルで釣れる代表的な魚はタカベやアジ、イワシなど小型回遊魚が中心となる。なかでもタカベは暖流の影響を受ける地域でしかほとんど釣れないため、熱海に来たら狙いたい魚の一つだ。

 希少性だけでなく食味も良い。から揚げはもちろん、15cmを越える個体はお刺身にすると高級魚に匹敵する味わいだ。つまり、レンタルタックルだからと言って釣果は侮れないわけである。

2023.10.05(木)
文=ぬこまた釣査団(大西)