重ねづけもポイント

 では、つけ方です。

 入浴後などにローションをボトルから手のひらに出したら、とにかくバシャバシャと存分につけていくのですが、ここでポイントがあります。それは、「全身にくまなくつけること」と「二度づけを行うこと」。

 まず「全身にくまなく」なのですが、ボディケアって、ひざ・ひじ・かかとなどの部分にフィーチャーすることが多く、「全身くまなく」行う習慣がなかったりしませんか? 特に「お腹の横」とか「背中」「首の後ろ」などの横や後ろ側は、忘れられがちに。

 しかし、その辺り(特にお腹など)は、案外乾燥しています。

 そしてひとたび乾燥箇所ができると、そこがトラブルを引き起こす可能性があり、乾燥面積が広がるおそれもある。

 「注意一秒、ケガ一生」のイメージで、「乾燥一秒、くすみ・シミ一生」などと心で唱えながら、全身をケアしていきましょう。

 また、背中や首、腕や脚などは今の時期、紫外線ダメージを受けています。ダメージを引きずらない、という意識を持つこともていねいにケアを行う秘訣です。

 続いてのポイントは、重ねづけ。

 これは「足りない部分を無くす」ために、必ず行ってほしい行為です。

 足りない部分というのは、「水分が行き渡っていない箇所」のこと。くまなく水分を行き渡らせて、全身を潤いで満たすには、1回目から肌が求めるだけ「バシャバシャ」と水分を与えるようにローションをたくさんつけることが大事ですが、その後、もう一度行うのには意味があります。

 2回行うと、2回目なのに「もっと入るな」という場所が必ず出てくるのです。そここそが、「乾燥している箇所」。

 1回目の保湿で十分水分を与えたつもりでも「まだ入る」のは、「足りていない」ゾーンがあるから。そのままにしてはいけません。

 「さらに入る」と感じた場所には、水分が入り切るまで入れましょう。それがみずみずしさを生み出し、シミやしわを作らない秘訣です。なお、十分保湿できている場合は、「入らない」ので自然にストップします。

 そしてケアを続けていくと、体が潤ってくるので、使う量がどんどん減っていくのです。

 私も実践し始めたころは、先ほどの写真に引いた赤いラインくらいまでを一度のケアで使っていましたが、最近は紫のラインくらいの使用量で済むようになりました。

 どれくらいの量を使えばいいかは体が教えてくれるので、与える基準としては「不足することのないように」だけ意識しておけばOKです。

2023.09.17(日)
文・写真=にらさわあきこ
撮影=釜谷洋史