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ビビッドなカラーが可愛い! タイならではのアレンジメント

 日本でも近年ブームになり取り扱いが増えたドライフラワーですが、タイの花市場でもここ数年の間にドライフラワーを扱う店が増えたように感じました。ドライフラワーの代表格的存在で、日本でも人気の高いスターチスが、さまざまな色に染められていました。

 タイでは、猫じゃらしのような見た目で可愛いラグラスが人気のようで、様々な色に染められたものが店頭を飾っていました。ブルー系のものは涼しげなので、夏のアレンジにピッタリだと思います。

 スターチスの花束は、生花のものももちろん売っていますが、最近では、ドライフラワーの花束がとても人気があるそうです。一束300バーツほど(日本円で1,200円程度)で売っているので、日本よりもお手頃価格で手に入ります。

 ドライフラワーの花束は生花よりも扱いが簡単なので、現地の友人や旅先でお世話になった方にプレゼントするのもいいかもしれません。

 故人をしのぶアレンジとして使われることが多い巨大なリースも見かけました。タイの人の中にはリース=仏花と考える人がいて、タイのフラワーデザイナーに「タイでは華やかな席でリースアレンジを作ると嫌厭されることがある」と聞いたこともあります。

 いずれにしてもこんな華やかなリースでお見送りしてもらったら、元気に旅立っていけそうですね。

 タイの代表的なアレンジといえば冒頭でも紹介したジャスミンの花環と、マリーゴールドの花飾り。ところでタイ仏教では生まれた曜日を大切にし、曜日ごとに色が決められています。国民に深く敬愛された前国王や現国王が月曜日生まれで、月曜日の色が黄色のため、国王を慕って花市場は黄色やオレンジの花で溢れ、日常的に黄色い服を着ている人もよく目にします。

 献花のアレンジはメイン通りから少し奥に進んだ市場エリアで多く見かけました。

花市場で手に入れた生花をホテルで楽しもう!

 野菜や果物同様、生花やドライフラワーも輸入植物検疫の対象になる場合が多く、お土産として日本に持ち帰ることは難しいですが、旅の前半に切り花を買ってホテルや滞在先に飾って満喫することはできます。

 ホテルによっては花瓶を貸してくれることもありますので、リクエストしてみてください。意外な花瓶と出会えるかもしれません。あるいはお風呂に入れれば贅沢な時間を過ごすことができます。

 滞在が短い場合や手軽に花を飾りたい時にはジャスミンの花環がおすすめです。花市場に足を運ばなくても街中で手軽に手に入りますし、ホテルのドアノブに引っ掛けたり、枕元に置いたりすればジャスミンのいい香りがして旅の疲れを癒してくれますよ。

2023.08.30(水)
文=佐藤俊輔