【バンコクの生花を巡る旅】 深夜に賑わうタイ最大の生花市場＆ 蓮池で空撮できる人気スポットへ

足をのばしてレッドロータス水上マーケットへ

　バンコクの中心街から少し足をのばすと、規模の大きな州立公園が点在しています。植物園が併設されている公園も多いので、旅の日程に余裕があれば巡ってみましょう。

　今回は、2017年にオープンした比較的新しい観光スポット「レッドロータス水上マーケット」を訪れてみました。

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　レッドロータス水上マーケットは、バンコク市内から車で1時間30分ほどの、ナコーンパトム県にある施設です。公共交通機関はないので、現地ツアーに申し込んで送迎してもらうか、タクシーを手配して向かいます。事前に日本で申し込みできるツアーももちろんありますし、当日ホテルなどで往復のタクシーをチャーターすることも可能です（タクシーチャーターは1台1,500～2,000バーツほど、日本円で6,000～8,000円程度）。

　エントランスを入ると、可愛らしい蓮の花のモニュメントがお出迎え。その後、巨大なカゴで作られた風鈴のような飾りが目に飛び込んできます。その先にはサッカーコート約4面分ともいわれる巨大な蓮池が広がっています。

　蓮は日本では夏の時期、タイでは1～2月頃に咲きますが、ここのレッドロータスは一年中咲いているのが特徴です。

　また、蓮の花というと淡いピンク色のイメージがありますが、こちらの蓮はレッドロータスの名の通り、ビビッドなピンク色のカラーが特徴的です。この花が咲き乱れる蓮池を囲むようにレストランやショップ、カフェが併設されています。

蓮池にボートでダイブ！

　まずはボートに乗って蓮池を巡ります。ボートは一人100バーツ（約400円）で、船頭さんが手漕ぎで船を進めてくれます。所要時間は20分程度。

　蓮の花を愛でながら、滑るように進むボートに揺られていると時間が経つのを忘れてしまいます。岸から眺めるよりも間近に蓮の花を眺められるのも嬉しいポイント。カラフルな紙傘も貸してくれるので、好みの色を選んでゆったりと涼みましょう。

　希望すれば300バーツ（約1,200円）でドローン撮影をしてくれます。船頭さんが色々とポーズを指示してくれるので、ボートに立っている写真や、寝転がっている写真、真上から池に浮かんだボート全体を撮った写真など、面白い写真をたくさん撮ることができます。動画も撮影してくれるので、最高の思い出になります。

レッドロータスのローカルグルメ＆おすすめのお土産

　ボートで蓮池を巡ったら、コロナ禍で減ってしまった観光客が徐々に戻り、活気を取り戻しつつある周辺のマーケットを探索してみましょう。お土産物屋さんやレストラン、カフェなどが一通り揃っています。

　池を眺めながら食べられるタイレストランはとてもリーズナブルでボリューム満点。どのメニューも60～70バーツ（約250～290円）程度と、バンコクの屋台と同じような値段で食べることができます。

　レッドロータス水上マーケットに来たらぜひ食べてほしいグルメが「ミヤンカム」。干しエビ、乾燥ココナッツ、玉ねぎ、マナオ（タイでよく食べられている小ぶりのライムのような柑橘類）、ピーナッツ、トウガラシなどの薬味を蓮の花で包んで食べるタイの伝統的なスナックです。

　蓮の花のほのかな甘みとすっきりとした苦みに、野菜やエビのうまみが加わって美味。サクサクとした食感も軽やかで暑い夏にぴったり。包む食材によって味変できるのも嬉しいポイントです。

　カフェもあるので食事の後は蓮池を眺めながらゆっくりとコーヒータイムを楽しむこともできます。お土産にはハンドメイドのココナッツシュガーがおすすめです。

　ココナッツの花蜜を2～3時間ほどじっくり煮込んで作る砂糖で、ほのかにココナッツの香りがして、なめると優しい甘さが口いっぱいに広がります。料理やお茶に使うのはもちろん、しつこさがないのでそのまま食べることもでき、おやつやおつまみにもなります。

　いかがでしたでしょうか？　前篇と後篇の2回にわたって、バンコク市内とバンコクから日帰りで行ける花スポットをご紹介しました。

　僕にとって気軽に行けて親しみのあるタイですがコロナ渦で遠ざかっていました。でも少し時間を置いて再び訪れたことで、タイのすばらしさに改めて気づかされました。以前と変わらないタイの花の美しさにもますます魅了された旅でした。

　熱気に満ちた市場で出会う極彩色の造花、祈りのそばに寄り添うフラワーアレンジ、水面に漂う美しい赤い蓮……花で巡るバンコクの旅を、ぜひ現地で体験してみてください。

佐藤俊輔（さとう しゅんすけ）

フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」（光文社）、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。テレビ、ラジオ出演のほか伊勢丹メンズ館のディスプレイ装飾など幅広く活躍。CREA WEBにて「ブルームカレンダー」連載中。

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2023.08.30(水)
文＝佐藤俊輔