花を買って家に飾る、それだけでも十分に豊かな時間を過ごせるけど、花の楽しみ方はノールール。今まで知らなかった新しい花との付き合い方を、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんがお届け。もっと自由に花と触れ合って、プレイフルな日々を楽しもう。
» 【動画】可愛い! ミモザのスワッグの作り方(YouTubeへリンク)
花のプロがミモザのお手入れ方法&飾り方をレクチャー

ヨーロッパに春を告げる花、ミモザの季節がやってきました。
ミモザの開花にあわせ、南フランスのコート・ダジュールでは2月に「ミモザ祭り」が開催され、またイタリアでは、「ミモザの日」としても親しまれている3月8日の国際女性デーに、男性から女性へ、日ごろの感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈ります。
以前春にパリを訪れた時に、カフェテリアでシャンパンとオレンジジュースをミックスしたカクテルの「ミモザ」を飲んでいる方をよく見かけたのを覚えています。ヨーロッパの人にとってミモザは春の喜びを象徴するもので、みんなそれぞれの方法でミモザに親しんでいるのがよくわかる出来事でした。

そんな幸せなイメージいっぱいの黄色い花、ミモザですが、昨今日本でも大人気で春の花屋さんには欠かせない花となりました。各地でミモザ関連のイベントも開催され、関東だと川崎で開催されるミモザフェスタなども有名です。
ミモザを目にする機会の多いこの時期、上手にミモザを家に迎え入れて、ヨーロッパの春を自宅で楽しんでみましょう。
今回は、ミモザの簡単なお手入れ方法からシンプルな飾り方、ボックスでの飾り方、ドライフラワーにしてハーバリウム風に楽しむ飾り方をご紹介します。
ミモザを購入したらまずやってほしいこと

ミモザの花を自宅に持ち帰ったら、まずは茎に注目してください。茎の下の部分についている花や葉は水に浸かると傷んでしまうので、丁寧に取り除きましょう。
次に、細い茎は斜めにカットして、太い茎はハサミを縦に入れて十字に切り込みを入れてから飾ります。つぼみの花が開くには栄養が必要なので、切り花用の鮮度保持剤を入れると効果的です。花や葉は一度乾燥してしまうとカリカリになってしまうので、霧吹きなどをこまめにかけてあげると長持ちしますよ。
ミモザを美しく飾るコツ

ミモザは葉や花が横に広がっているものも多く、そのままでは飾りにくいので枝分かれしているところで切ってあげると、ぐっと飾りやすくなります。
背が高いものには大きな花器が必要になりますが、ない場合は大きめのキャニスターなどを利用すると手軽に飾ることができます。イタリアに思いをはせてテラコッタ調の花器をセレクトし、重厚な雰囲気を楽しむのもおすすめです。
2023.02.16(木)
文=佐藤俊輔
撮影=平松市聖