この記事の連載

 王室ゆかりの国鉄駅や宮殿、山頂の古寺院、象の保護施設など、都会の喧騒の届かないホアヒンには、少しスローな時間が流れている。

 リゾートだけでないホアヒンの魅力を、4回に渡りご紹介。ぜひお見逃しなく!


王室専用待合室が威容を誇るタイで最も美しい国有鉄道駅

◆Hua Hin Railway Station(ホアヒン駅)

 タイで最も古く、最も美しい駅として知られるホアヒン駅。ラーマ6世の治世中に建てられ、王室の離宮「クライ・カンウォン」を訪れる王族や賓客も利用していた歴史ある国鉄駅で、ビクトリアン様式の影響を受けているというタイの伝統的な建築スタイルが印象的だ。

 雰囲気ものどかな木造駅舎で、赤とクリーム色のレトロな彩色には愛らしささえ感じる。ホームに小さな寺院のような姿を見せているのは、王室専用の待合室、プラ・モンクット・グラーオ・パビリオン。

 自警団やボーイスカウトの訓練を視察するラーマ6世のために造られた王室専用駅舎を移築したもので、一般公開はされていないが、外観を眺めるだけでその品格の高さが伝わってくる。

 駅前のロータリーにはタクシーやモーターサイ(バイクタクシー)が列をつくり、屋台や物売りの姿もあるが、不思議に騒がしさはない。どこかおっとりとした時間が流れているのも、王室ゆかりの地ホアヒンならではだろう。

Hua Hin Railway Station(ホアヒン駅)

所在地 Prapokklao Rd., Tambon Hua Hin, Amphoe Hua Hin, Prachuap Khiri Khan

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Column

CREA Traveller

文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。

2023.05.14(日)
文=張替裕子(ジラフ)
撮影=橋本 篤
コーディネート=長屋良典(T-Live)

CREA Traveller 2023 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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