孫たちも自然にアントニオ猪木に夢中になっていった
――お孫さんたちはおじいちゃんであるアントニオ猪木さんのことをどう思ってるのでしょうか。
それがね、面白いんですよ。私は子どもたちにパパの試合の映像を見せていなかったのに、気がついたらYouTubeでパパのことを調べて夢中になって見たり、この技は足をこうかけるんだ、なんていうことを自然に、熱心に話すようになったんです。
パパのように育ってくれればと思って、上の子の寛太(20歳)にはパパの名前の「寛至(かんじ)」から寛の字をもらいましたし、下の子の尚登(14歳)のミドルネームは「アントニオ」なんです。
――猪木さんの面影を感じることはありますか?
年齢を重ねるごとに細かいところで、似てきているなと思うことがあります。
パパは靴を履くときに靴べらを使うのが好きだったんですが、最近、尚登も「靴べらは?」と言うようになったんです。
それに、尚登は見る角度によっては、パパにそっくりで。
以前、ママがロスに遊びに来たとき、尚登が「ばあちゃんが寝てるときに、ばあちゃんの部屋で“Hey Mitsuko!”って言ってみようかな」って。声も少し似てきたから、いたずらしようとしたんですよ(笑)。
――将来、猪木さんと同じ世界に飛び込むということもあるのでしょうか。
子どもたちが、プロレスラーになりたいと思ったなら、それはそれでいいと思います。
どんな道に進んだとしても、パパみたいに、何事にも全力で取り組んだり、誰かのためになる生き方をしてほしいと願っています。
2023.04.03(月)
文=児玉也一
写真=末永裕樹(寛子さんポートレート)