――怒られたりしたんですか?

千秋 しますよー。再婚したときも「子どもがかわいそう」とか「なんで母親が我慢しないんだ」とか。

 でも私が再婚するときも遠藤くんの再婚のときも、子どもと互いの家族がどうやって関わっていくかを皆でしっかり話し合ってるし、子どもも納得した上でのこと。だから全然人に言われる筋合いないんだけど、オープンにすると言われちゃうのは面倒くさい。

「離婚したって、娘のお父さんが遠藤くんであることに変わりはないじゃないですか」

――逆に、結婚や離婚をオープンにしたことでプラスはありましたか。

千秋 娘の小学校の卒業式のとき、同級生のママ4、5人くらいから「千秋ちゃんの離婚を見て“その手があったか!”と思って離婚できた。本当にありがとう」ってお礼を言われたんです。1回も話したことがないママもいたけど、そんな風に見てくれてたのかと思って、すっごく嬉しかったです。

――“この手”っていうのは具体的にどんなことでしょう。

千秋 離婚した後も遠藤くんは運動会に来てたし、娘が「3人でディズニーランドに行きたい」って言った時は3人で行きました。円満離婚っていうのかな。その度にメディアには「復縁か!?」って書かれたけど(笑)、そうじゃなくて。離婚したって、娘のお父さんが遠藤くんであることに変わりはないじゃないですか。

 離婚してしばらくは娘が週1回パパのところに泊まりに行くようになって、遠藤くんが1人で朝起こして寝かせるまで全部やることになったんです。それで一緒に住んでたときよりよっぽど家事育児ができるようになってました。

 

――そうした千秋さんたちの姿を見た他のママが、“円満離婚”という選択肢を得たわけですね。

千秋 「家族がうまくいってないけど、離婚したらどうなっちゃうんだろう」って不安を感じてる人が多かったんだと思います。でも1回しかない人生だから、結婚を続けるのも、離婚するのも選択できた方がいいですよね。家族の仲が良ければ最高だけど、ずっと我慢するのは辛いじゃないですか。今は特に女の人が我慢することが多いと思うし、それはいやだなって。

2023.04.06(木)
文=小泉なつみ