伝統料理への深い敬意を抱き軽やかに進化する
![烏骨鶏のモモと胸、間にキノコのムースを重ねてクリスピーに仕上げた黒酢風味の肉料理。グラスには餅米と香草で造った韓国伝統酒。酢の香りに合う。料理はすべてランチコースW190,000〜、ディナーコースW320,000からの一例。
奥:韓国のソーセージ「スンデ」を再構築。手前:焼き鳥とフライドチキンが融合。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/1280wm/img_9c72965d377b103130407fe38dcca5ce114703.jpg)
奥:韓国のソーセージ「スンデ」を再構築。手前:焼き鳥とフライドチキンが融合。
「mingles」は、「アジアのベストレストラン50」では韓国で最上位の16位、ミシュランガイドのソウル版ではオープン2年後から星を取り続け、今も2ツ星をキープしている、韓国を代表するファインダイニングだ。
![奥は山海のご馳走をあえて重ねた、韓牛とうなぎのタルト。コチュジャンと梅の風味が広がる。手前は太刀魚のコロッケを繊細なカムテ(甘海苔)で包み、二重衣のように。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/1/1280wm/img_616e73827bad6a398c134853a66f54bc53232.jpg)
![醤油・コチュジャン・韓国味噌と3つの味噌を使ったアイスクリームはオープン当初からのシグネチャー。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/8/1280wm/img_281bb02e3475db18e52ee6f0366011d4136967.jpg)
オーナーシェフのカン・ミング氏はアメリカ、スペインなどのイノベーティブなレストランで腕を振るった国際派。韓国料理の根源は重視しながらも、現代の技術と感性を加え、ここでしか体験できない韓国料理を披露する。
「昨年日本に行ったときに、あえて韓国料理を食べ歩いてみて驚きました。人気の韓国料理が全部ある。でも、それは何十年もまったく変わっていないものだったから。既存の韓国料理が新しい感性やテクニックによってどんなに進化しているか、もっと知ってほしいと思いました」とカンシェフ。
![カン・ミング氏。大学で調理学を修め、卒業後、渡米。サン・セバスチャン「Martin Berasategui」やマイアミとバハマの「NOBU」などでも修業を積んだ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/1280wm/img_7665e0b03f2e0836a976d17a10143d42106937.jpg)
カンシェフは韓国で“シェフの先生”と呼ばれる料理界の重鎮、チョ・ヒスク氏のもとで韓国の食文化を、そして精進料理について寺院にて改めて学んでいる。
それほど深い伝統への敬意を抱きながら、彼が世界中で見てきた広い視野は健在で、コースの中に広がるのは、とてもモダンな景色だ。
![伝統的な街の風景の絵が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/1280wm/img_b2282989c06fa5015aa7179007b73c4693658.jpg)
ここには世界中のフーディが訪れる。とはいえ、韓国モダンなインテリアの店内は私邸のようで、キャップとTシャツ姿のシェフはそれこそ僧侶のような包容力でゲストみんなを包み込み、とがった空気がまるでない。
そんな温かなもてなしもまた、韓国に受け継がれているものなのかも。
![抜けのある家具を配置し、風通しのいい空間。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/1280wm/img_25443dba3632de153ba736a96893ca4b144475.jpg)
【清潭洞】
mingles(ミングルス/밍글스)
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/1280wm/img_02376df6d550f068bd239f3fc1ad57f751690.jpg)
所在地 ソウル特別市江南区島山大路67ギル19 2F(서울특별시 강남구 도산대로67길 19 2F)
電話番号 02-515-7306
営業時間 12:00~15:00、18:00~22:00
定休日 日・月曜、不定
http://www.restaurant-mingles.com/
●完全予約制
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
2023.04.09(日)
Photographs=Atsushi Hashimoto
CREA 2023年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。