——1月7日の神奈川県民ホールで行われた「wacci Hall Tour 2022 ~Boost!~」ツアーファイナルのMCで橋口さんは「『恋だろ』が見たことのない場所に連れて行ってくれた」と話していました。“見たことのない場所”とはどこだったのでしょうか。

橋口 “場所”といえば、やっぱり年末の日本レコード大賞の舞台に立てたことは大きかったですね。それ以外にもCOUNTDOWN JAPAN 22/23に呼んでもらえたり、年末を忙しく過ごすことができたのは嬉しかったです。ミュージシャンって、年末が暇だと凹むんですよ。そういう意味では、「恋だろ」が連れて行ってくれた一番の場所は“忙しい年末”かもしれません(笑)。

 

大ヒット「恋だろ」誕生秘話

——若者に「恋をしない風潮」がある中で、「恋だろ」は力強い“恋愛応援歌”だと言われます。

橋口 元々ドラマの挿入歌として書いたんですよ。15曲くらい書いた中で、ポンと出てきたのが「恋だろ」でした。だから、正直に言うと、あの曲が出来た時に自分がどんなマインドだったかもう忘れちゃったんですよ(笑)。ただ、「ロミオとジュリエット」という曲のテーマはもらっていて、「恋愛に対して障壁があるけど、お互いの気持ちで結びついて愛を貫く」みたいな視点は常に持っていました。なので、「恋の障壁はいろいろあるけど、そういうの全部乗り越えるのが恋だろ!」と自分に言い聞かせるイメージで書いたということは言えますね。

——嬉しい反響はありましたか。

橋口 周囲の目に傷ついたりしながらも自分たちの恋愛を貫き通した方から「勇気をもらいました」というコメントをもらった時は嬉しかったですね。昔と比べれば、現代は例えば国際結婚、年の差婚、LGBTQの方の結婚には理解があるとは思います。しかし、それでも風当たりが強いところはまだある。そんな方々に「自分の気持ちを信じられるようになりました」と言ってもらえると、歌手冥利に尽きますね。

2023.03.23(木)
文=「週刊文春」編集部