樹皮を叩いて作る「カパ」と、木を組んで作る「ウクレレ」。2人の匠を2回に渡りご紹介。
ハワイだからこそ生まれる音色がそこにある。
ハワイならではの音を求め小さな工房へ
◆Sonny D Ukuleles(サニー・D・ウクレレズ)

ウクレレ職人であり、プレイヤーでもあるサニー・リチャード・ダーリンさん、通称サニー・Dは、御年82歳。
ワイキキから西へ西へと走ったローカル色の強い街、ワイパフのアパートの2階で、50年以上、カスタムメイドのウクレレを作り続けている。

「サニー・D・ウクレレズ」の一般的な評価は「個体差が激しいが、ハワイならではの音色は唯一無二」。
ウクレレの神様との異名を持つハーブ・オオタ、トロイ・フェルナンデスら名プレイヤーも愛用しているという、ひと筋縄ではいかなそうな楽器だ。


使用する木材は、ハワイの固有種であるコアウッドをはじめ、マンゴー、マホガニー、ローズウッドなど。

「大事なのはウクレレにとってベストな素材を見つけること。チャレンジし続けること。出来上がっても音色が気に入らなけば、世に出さないこと」と言い、おもむろに弾いてみせてくれた。

素朴で、温かく、大らかな包容力を感じる音色。ぜひその目と耳で、確かめてほしい。

Sonny D Ukuleles(サニー・D・ウクレレズ)
所在地 94-164 Awalau St. C, Waipahu
電話番号 808 294 490

Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2023.03.05(日)
文=伊藤由起
撮影=志水 隆
コーディネート=本間律江、工藤まや
CREA Traveller 2023 vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。