●自分の世界を広げてくれたミュージカル『刀剣乱舞』
――黒羽さんのキャリアにおいて転機となった作品は?
いちばん自分の世界を広げてくれたのは、ミュージカル『刀剣乱舞』(15年〜)との出会いです。純粋に話題の2.5次元ミュージカル俳優として、いろんな方に注目していただける機会が増えましたから。これもオーディションだったのですが、おかげさまで、この作品に出演したことでほかの舞台にも声をかけていただいたり、NHKの紅白歌合戦(18年)にも出させてもらいましたし。
――三日月宗近というキャラを4年間演じ続けて学んだことはありますか?
演出の茅野イサムさんから厳しく丁寧にご指導いただいたおかげで、お芝居を基本から学ばせてもらいました。朝は呼吸法から始まり、最初の頃は体力的にも精神的にもホント辛かったんです。でも、今となっては、すべてが自分にとって財産になったと思っています。
●故郷への片想いだった気持ちが両想いに!?
――映像作品に関してですが、17年に放送されたドラマ「男水!」では、地上波ドラマにおいて、2.5次元ミュージカル俳優が共演したことで話題になりました。
ドラマの後に舞台化されたという、当時としては新しいジャンルというか、面白い試みだったかと思います。ドラマを撮っているときは、周りが知っているメンバーしかいないので、特に緊張などはせずやりやすさを感じていました。
――17年には『アヤメくんののんびり肉食日誌』で映画初主演も務められた一方、18年10月には「みやぎ絆大使」に任命されます。
僕、地元が大好きなので、友だちに会うためにもよく帰っていますし、育った街を大事にしたいという思いが強かったこともあり、「いつか地元に関わるお仕事をやりたい」と思っていたんです。だから、絆大使に任命していただいたことで、片想いだったのが両想いになった気がして、とても嬉しかったです。宮城の名産品をブログで紹介したり、北海道に行って宮城の食材をPRしたり、全国に宮城の魅力を紹介させてもらいました。
2023.02.03(金)
文=くれい響
撮影=末永裕樹
ヘアメイク=泉脇崇(Lomalia)
スタイリスト=ホカリキュウ