リゾートが提案する、気持ちをつなぐ自転車ツアー

 さて、「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」が2022年12月から取り組んでいるのが、恩納村とともに提案する体験プログラム、その名も「世界一サンゴに優しい村・恩納村を自転車で巡り、学ぼう!」だ。

 実はホテルのある恩納村は沖縄県でも指折りの、環境問題に対して真摯に取り組んでいる村。「世界一サンゴに優しい村」をスローガンに、行政・村民・事業者が一体となってさまざまな取り組みを行い、発信している。自分たちの生活の糧でもある美しい海を次世代に残すためだ。

 村内でもホテルに近い場所にある沖縄技術大学院大学(OIST)の存在も大きい。OISTとは、物理学、化学、生物学、脳科学、環境科学など多分野にわたって世界レベルの科学技術の研究、教育、イノベーションが行われている大学院大学。教員と学生、研究員の半分以上が外国人という国際的な場所だ。そんなOISTの協力もあって、村の中でも自分たちが暮らす街の貴重な環境について自覚が深まっている。

サンゴを守るためにハチミツを作る理由

 まずご紹介したいのは恩納村が行っている「Honey & Coralプロジェクト」。ここでは畑の周りに置かれたミツバチの巣箱を実際に見せてもらいながら「Honey Bee蜂優」代表の池宮 崇さんからお話を聞く。

 そもそも、なぜ海とハチミツがつながるのかだろう。

 実は、恩納村の美しい海はサンゴとともにあって美しさを保っている。が、近年、雨が降ると収穫後に放置されている農地から赤土が海へ流れ込み、サンゴにとって大きな影響を及ぼしているというのだ。
 
 それには畑の周辺にベチバーなどの根をしっかり張る植物を植えて流出を押さえたり、休作期にもひまわりなどを植えて赤土のカバーすることが重要。植えた花を蜜源として蜂を飼い、ハチミツを採取することで農閑期の副収入ができ、それを翌年の赤土対策に遣うこともできる。

 池宮さん自身が農家に養蜂についてのレクチャーをして、「Honey & Coralプロジェクト」は進行中。南国ならではの花々からとれる華やかな風味のハチミツだ。

ミツバチがサンゴを守る 養蜂農家見学プログラム

開催日 月曜、火曜、金曜(除外日あり)
開催時間 9:00~、14:30~
所要時間 約90分(移動時間を含む)
料金 大人 6,215円、小人(8~11歳) 4,972円
参加人数 2~5名

2023.01.30(月)
文=CREA編集部
撮影=橋本 篤