徐々に世界を旅する人も増えてきましたが、自由に海外へ行かれなかった時期に、日本が誇る四季折々の魅力に改めて気付かされたという人も多いようです。

 だから今こそ、手が届くところにある日本の魅力を再発見してみませんか?

 寒さが厳しく家にこもりがちですが、このシーズンだからこその風景を楽しみに出かけたいもの。

 特集では、各エリアの観光の達人に、その地が誇る自慢の絶景・風物詩について教えてもらいました。

 今回は、高知県観光コンベンション協会プロモーション担当が選ぶ、冬の風景をご紹介します。

 日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。この先の旅の参考にどうぞ!

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆佐川町のバイカオウレン

 野山などにひっそりと自生する、貴重な多年草・バイカオウレン。梅に似た丸みのある小さな白い花がかわいらしく、「牧野公園」や「加茂の里」では一面に咲き広がるバイカオウレンを観察できる。

 「高知県中部の仁淀川エリアにある佐川町は、世界的植物学者・牧野富太郎博士の出身地。幼少のころから一人で草木と遊ぶのが好きだった博士は、生家の裏山に咲く梅花黄蓮をこよなく愛したそうです。

 佐川町内にあるバイカオウレンの群生地は、牧野公園と加茂の里の2か所。12月末頃から3月初めにかけて花を咲かせるのですが、木漏れ日のなかで可憐に咲く姿は『森の妖精』と呼ばれています。

 また、佐川町は土佐藩筆頭家老の城下町で、伝統的な商家や酒蔵などがあります。趣ある町並みを散策するのも楽しいですよ」(高知県観光コンベンション協会プロモーション担当)

見ごろの期間:2月上旬~3月初旬ごろ

佐川町のバイカオウレン(さかわちょうのばいかおうれん)

所在地 牧野公園:高知県高岡郡佐川町甲(奥の土居)
集落活動センター・加茂の里:高知県高岡郡佐川町加茂 621-1(センターから群生地までは徒歩20分)
https://kochi-tabi.jp/search_spot_sightseeing.html?id=768
加茂の里 https://niyodoblue.jp/spot/detail.php?id=110
佐川町の町並み https://kochi-tabi.jp/search_spot_history.html?id=805

◆だるま夕日と咸陽島

 11月中旬から2月中旬にかけて見られる、宿毛市の冬の風物詩、だるま夕日。

 「夕日が太平洋に沈む間際の数分間、一種の蜃気楼現象によって2つの円が重なり『だるま』のように見える現象で、日本の夕日百選に選ばれています。

 きれいな『だるま』の形を見られるのは年間10回ほどしかなく、『幸運の夕日』と呼ばれる貴重な景色。

 咸陽島公園はだるま夕日が見られる場所の1つで、だるま夕日と咸陽島の絶景を撮るために多くのカメラマンが集まります」(高知県観光コンベンション協会プロモーション担当)

だるま夕日と咸陽島(だるまゆうひとかんようとう)

所在地 高知県宿毛市大島17(咸陽島公園)
https://www.city.sukumo.kochi.jp/docs-18/p0308.html

2023.01.07(土)
文=佐藤由樹