チェンマイの近くを調べていると、住宅の中に「ワット・パー・サマナウォン寺院」というタイ寺院を発見。その寺院を見学すれば、“リアルタイ”を感じられるかもしれない——。そう考えて、夜は寺のすぐ近くにあるタイマッサージ屋でマッサージを受けたあと、チェンマイでタイ料理を食べることにしました。ごはんを食べながら、店の人に寺を見学できないか聞いてみる作戦です。

 

マッサージ後、「チェンマイ」に連れて行ってくれることに

 マッサージ屋に行くと、先客がひとり。壁には、ちゃんとしたマッサージ店であることを証明するライセンス証と、手書きで書かれた「性的サービスはしません」との貼り紙がありました。よし、健康的なマッサージ店です。店内にはいくつか布団が並べられていて、カーテンでそれぞれが遮られています。この辺はタイ現地のマッサージ屋と一緒ですね。

 薄い服に着替えて、タイ人女性からプロレスの関節技のようなマッサージを受けつつ、話をします。「私は和歌山の人間ではないが、タイの店に興味があって和歌山まで来た。この近くにお寺があるそうなので、お寺も見てみたい」と伝えてみました。

 すると、その女性がチェンマイに一緒へ行き、筆者が寺を見たい旨を説明してくれるというのです。そのあとは、「チェンマイの人がなんとかしてくれるだろう」と。

 マッサージ後に連れていかれたチェンマイは、知る人ぞ知る人気店、という雰囲気でした。聞けば、和歌山市の隣の海南市から“ガチタイ飯”を食べにくる日本人グループがいるほどだといいます。和歌山ではタイ料理屋とマッサージ屋の兼業が当たり前らしく、チェンマイもその2つのビジネスでなんとかやりくりできているそうです。

寺院のタイ人僧侶・トムさんが歓迎

 チェンマイのタイ人女将・エミさんは、「うち、今の店で9年、前の店も合わせると19年やってますわ。昔の日本は景気がよかった。せやけど今は、給料が減ったさかい、お客さんが減って大変や」と流暢な関西弁で嘆いていました。筆者自身がタイ語はおろか関西弁も話せないので、なんだか申し訳ないくらいです。

2022.10.31(月)
文=山谷剛史