海外旅行にだんだんと行けるようになりました。とはいえ円安だし燃油サーチャージが高いし、コロナ対策の手続きで日本に予定通りに帰れないリスクもある。なかなか海外旅行への腰が上がりにくい状況にあります。
海外に行けない代わりに、僕は日本の在住外国人をターゲットにした“ガチな異国飯屋”(=外国料理屋)に行っています。日本人向けにアレンジされていないガチな異国飯を食べ、客同士や店員との外国語会話を聞き、独特な内装を見て気を紛らわしています。日本人がアウェーな異国飯屋に頻繁に行って海外旅行気分を疑似体験することで、ますます海外旅行に行く腰が上がらなくなるという、本末転倒なことも起きています。なんてこったい。
新小岩駅の南口にはアツい店が集中
そんな日本人アウェーな外国料理屋は、東京でも新大久保や池袋や高田馬場や上野など、いろんな地域で集中していますが、一番好きな街は東京の東の端にある総武線の小岩と新小岩です。どちらも何カ国かの本国さながらの異国飯屋があり、在住の外国人に愛用されています。
このエリアは、店を開いた外国人がこぞって「安いから」という理由で居抜きで店をはじめるだけに、店内の内装やメニューは日本ナイズされてなく簡素かつ独特なものになりがちで、都心の店と比べて独特な味わいがあります。よくないですか?
新小岩駅は小岩駅よりも東京寄りに位置し、区で言うと「こち亀」や「キャプテン翼」の葛飾区で、総武線快速で東京駅から4駅目にあります(隣の小岩駅は江戸川区にあって、小岩駅と新小岩駅はけっこう距離が離れています)。新小岩駅には北口と南口があり、主に南口にアツい店が集中します。中国、ベトナム、ネパール、タイ、バングラデシュ・インドの店があり、特に中国の鍋系料理屋の数が充実しているのが特徴です。
日本では数少ないタイプの火鍋が食べられる
北口を出ると、いきなり左手に「美味スーパー」という異国感があるバングラデシュの店があります。もともと「美味業務スーパー」という名前でしたが、近くにある業務スーパーから何か言われたのか、美味スーパーに名前が変わっています。ケバブに加えて、ムスリム向けのハラル弁当やホットスナックとかも売っています。ちょっと歩くとフィンランドの店「Mikon Finland Shop & Cafe」もあり、「世界一まずい飴」と言われるサルミアッキが何種類も売られています。
2022.08.19(金)
文=山谷 剛史